2016 Fiscal Year Annual Research Report
迅速ペプチド集積反応の開発と光アフィニティプローブへの応用
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16F16344
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
Bode Jeffrey 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 客員教授 (90727900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG YINFENG 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
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Keywords | タンパク質合成化学 / ペプチド合成化学 / ライゲーション化学 / プロテオミクス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は細胞内の生命現象に重要な役割を果たすタンパク質のSUMO化の過程を明らかにするための合成タンパク質プローブを創出することである。SUMO化に関わるタンパク質を化学合成し、合成タンパク質に光アフィニティータグを付加することにより、SUMO化の過程に関わるタンパク質の同定が可能となる。 今年度はタンパク質プローブの基盤となるタンパク質の全合成研究を行った。固相ペプチド合成法を用いて4つのペプチドフラグメントの合成を達成した。固相合成は自動ペプチド合成装置を用いたFmoc法で行った。4つのペプチドフラグメントをSerine-Threonine Ligation(STL)、Keto acid-hydroxylamine ligation(KAHAライゲーション)、Native Chemical Ligation(NCL)によって連結することで目的のタンパク質の化学合成を達成した。 さらに得られた合成タンパク質の生理活性について調査した。RanGAP1のSUMO化反応をモデルとし、化学合成タンパク質と過剰発現系からの精製タンパク質の活性を比較した。その結果、合成タンパク質を用いた系においてもモデル基質RanGAP1のSUMO化反応が進行することが明らかとなった。この結果から化学合成によって得られたタンパク質が活性を有し、プローブとしての適用の可能性を持つことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
タンパク質の全合成を達成し、その活性を確認することができたため、目的の第一段階は達成できたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に確立した合成ルートに基づき、アミノ酸残基に改変を加えることで様々なタンパク質誘導体を合成する。具体的には精製のためのアフィニティタグと光クロスリンクのための光アフィニティータグの導入である。誘導体の合成と活性の調査を行い、これらの人工修飾に最適な位置について検討し、タンパク質プローブの完成と生物学研究への応用を目指す。
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Research Products
(1 results)