2016 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流路内の細胞マルチプル・センシング技術の開発
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16F16368
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
武居 昌宏 千葉大学, 大学院工学研究科, 教授 (90277385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI JIANPING 千葉大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-10-07 – 2019-03-31
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Keywords | 細胞操作 / 数値解析 / 細胞懸濁液 / 多電極 / 誘電力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、以下の研究を行なった。 (1)細胞の機械特性と電気特性に対して、基礎計測を行った。マイクロ流路の設計と製造を完成させた。(2)細胞の空間的な濃度分布を非侵襲かつオンラインで計測した。マイマクロチャネルの流路に沿った軸をZ、それに直交する面をXY平面とし、空間を表現した。初めに、異なる電極の組み合わせにおける横断面の電界分布をシミュレーションし、異なる濃度の細胞懸濁液について、その誘電特性を異なる電界においてインピーダンス・アナライザで計測した。(3)細胞操作に効果的な電圧印加電極組み合わせを求めるため、電圧印加時において、マイクロ流路内の細胞に対して作用するDEP 力が存在する領域を数値解析に基づき求めることを試みた。解析には数値解析ソフトSTAR-CCM+11.06.010(CD-adapco)を用いた。(4)実際に電極に電圧を印加させた時のDEP 力による細胞挙動を観察し、数値解析結果との比較を行った。本研究で利用するDEP 力は近傍で働くため、電極対の右側電極のいずれかのみの電極に電圧を印加し、左側電極には何も電圧を印加しない場合を考えた。実際に細胞懸濁液をマイクロ流路内に充填させ、DEP 力による細胞挙動を観察した結果、数値解析により求めたDEP 力が存在すると推測される領域内においてx 方向に細胞挙動が確認された。 研究の意義、重要性は、マイクロ流路デバイスにおける細胞分離を目指し、電極近傍における細胞操作を行うため、効果的な電圧印加電極組み合わせを数値解析により求めたことである。その結果、細胞操作に効果的な電極組み合わせが求められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
マイクロ流路の設計と製造を完成させ、そのマイクロ流路を用いて、細胞の機械特性と電気特性を計測した。流路内の複数の断面に対して、高周波数の交流電流を利用し、細胞濃度の実験を行った。最初の目的と比べて、数値解析結果から推測される細胞挙動と一致する細胞挙動が実験から確認された。今の結果を用いて、マイクロ流路デバイスにおいて得られた効果的な電圧印加電極組み合わせを用い、DEP 力により細胞を操作し、細胞分離を行うことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロ流路を用いて、細胞の機械特性と電気特性を測定する。まず、細胞の六つの機械力のパラメーターと二つの電気力パラメーターを測定し、そして、機械力と電気力の共同影響による細胞の運動パラメーター解析を基に、マイクロ流路内の細胞マルチプル・センシング技術を開発する。
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