2016 Fiscal Year Annual Research Report
SARリモートセンシングとGIS技術を融合した災害マネジメントシステムの構築
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16F16380
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松岡 昌志 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (80242311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KARIMZADEH SADRA 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
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Keywords | 地震被害 / 合成開口レーダ / コヒーレンス / 後方散乱強度 / イタリア中部地震 |
Outline of Annual Research Achievements |
合成開口レーダのHH, VV, HV偏波を用いたSAR干渉解析(Pol-InSAR)で得られるコヒーレンスマップ(干渉性を表すマップ)を利用した高精度な被害抽出手法を開発することを目的に,2016年8月24日にイタリア中部アマトリーチェで発生したM6.2の地震を対象に,地震前後に被災地を観測したVVおよびVH偏波を持つCバンドのSentinel-1衛星画像と,HHおよびHV偏波を持つLバンドのALOS-2 PALSAR-2画像を用いて,画像処理から得られる各種指標と建物被害との関係を定量的に検討した。具体的には,地震前後の後方散乱強度の差分,地震前ペアのコヒーレンスと地震前後のコヒーレンスの差分,そして,これらの指標を説明変量として線形判別値(総合指標)を指標として,その際,コヒーレンスについては,都市域の後方散乱特性の特徴に基づき,HH, VVのライク偏波が,VH, HVのクロス偏波よりも寄与が大きいことを考慮した。倒壊等の甚大被害とそれ以下の被害とこれらの指標値の関係を検討したところ,強度差分よりもコヒーレンス差分が,さらに,コヒーレンス差分よりも統合指標を用いたほうが被害との相関が高いことが明らかになり,判別精度はSentinel-1画像で87%,PALSAR-2画像で76%となった。さらに,被害の誤判別要因について,衛星画像の分解能(Sentinel-1はPALSAR-2よりも解像度が低い)と建物面積や被害程度との関係を統計的に検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2016年度にJAXAのWGのメンバーであったこと,そのWGの目的と本研究課題の内容がほぼ当てはまることから,ALOS-2 PALSAR-2画像を無償かつ早期に入手できた。そのことが6ヶ月未満という非常に短い研究期間であっても解析が順調に進み,Impact Factorが3を超える論文誌に受理されるという成果に繋がったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に開発した手法を2016年熊本地震などの最近の被害地震の被災地を観測したPALSAR-2画像に適用する。熊本地震では,一棟単位の建物被害の目視による判読が,申請者の研究グループや株式会社パスコにて実施されているため,これを正解データとして利用できる。倒壊等の甚大な建物被害だけでなく,半壊や軽微な損傷など,細かい被害程度の推定を目指す予定にしている。
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Research Products
(1 results)