2017 Fiscal Year Annual Research Report
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16F16399
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
今村 壮輔 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (70548122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PANCHA IMRAN 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
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Keywords | スターチ |
Outline of Annual Research Achievements |
微細藻類を用いたエネルギー生産系は、次世代の再生可能エネルギー生産として注目を集めている。しかし、微細藻類を用いた大規模かつ商業的なエネルギー生産系は確立されていない。その大きな障壁は、生産にかかる高いコストでる。この課題を解決するためには、微細藻類が生産するバイオマスの生合成メカニズムを理解することが肝要であると考えられる。 微細藻類が生産するバイオマスは多岐に渡るが、液体燃料の原料となるトリアシルグリセロールなどの中性脂質については、多くの研究者が生産性向上を目指している。しかし、油脂を抽出した後の藻類残渣の有効利活用法は見出されていない。当研究グループの先行研究により、藻類から油脂を抽出した後に多く含まれるスターチなどの糖質を化学触媒を用いて、レブリン酸メチルや乳酸メチルへ変換することに成功している。レブリン酸メチルや乳酸メチルは、医薬品や生分解性プラスチックの原料であり、藻類バイオマスを高付加価値化できる。本研究では、それら有用化合物の原料となるスターチの細胞内生合成の制御機構を明らかにすることを目的にしている。 本年度は、リン酸化プロテオームで得たスターチ生合成に関わるタンパク質の機能解析を行った。各候補タンパク質を過剰に発現する株を取得し、スターチ蓄積に対する影響を観察した。その結果、GAP1と命名したタンパク質を過剰に発現した際に、スターチ量がコントロール株に比べて約5倍に上昇していることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TORの下流で機能するスターチに関連するタンパク質を同定していることから、概ね順調に研究が進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、GAP1のリン酸化状態とスターチ蓄積との関係を遺伝学的解析にて精査していく。また、TORシグナル経路が窒素欠乏などのストレス条件における重要性についても解析を行い、生理条件下でのTORのスターチ生合成における役割や、GAP1の関与を明らかにしていく。
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Research Products
(13 results)