2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analyses of plant parasitic nematode infection mechanisms
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16F16406
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
澤 進一郎 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (00315748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TSAI YI-LUN 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
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Keywords | 種子ムシゲル / 線虫誘引物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、ある植物種の種子ムシゲルに線虫誘引活性があることを明らかにした。シロイヌナズナ等のアブラナ科やオオバコなどの種子ムシゲルには誘引活性が有るが、ハーブやサボテン類には無かったため、種特異的な成分が必要であると考えられる。また、シロイヌナズナの種子ムシゲルから線虫誘引物質の単離を目指す予定であったが、シロイヌナズナの種子ムシゲルは担体では誘引活性をもたず、生きた種皮とシロイヌナズナ種子ムシゲルを同時に混合したときにのみ線虫誘引活性を示す。このことは、種皮の酵素などによって、種子ムシゲルの成分が、真の線虫誘引物質に変換するなどの化学変化が必要であることを示唆している。 そこで、様々な植物種を用いて種子ムシゲルと、その線虫誘引活性について調査した。その結果、フラックスシードのムシゲルに、強いサツマイモネコブセンチュウ誘引活性が有ることを明らかにした。 次に、フラックス種子の種子ムシゲルの中の線虫誘引活性成分を明らかにするために、MPLCによる分画を行った。このMPLCによる分画は3回行った。その結果、フリーズドライ下サンプル固体において、フラクション3~7と13~16があって、線虫誘引活性はフラクション3~7のほうが強そうである事がわかった。このことから、引き続き、フラクション3~7について、精製を進め、線虫誘引物質の単離を目指す。次の精製ステップとしては、HPLC逆相クロマトグラフィーを検討しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
我々は、ある植物種の種子ムシゲルに線虫誘引活性があることを明らかにした。シロイヌナズナ等のアブラナ科やオオバコなどの種子ムシゲルには誘引活性が有るが、ハーブやサボテン類には無い。そこで、様々な植物種を用いて種子ムシゲルと、その線虫誘引活性について調査した。その結果、フラックスシードのムシゲルに、強いサツマイモネコブセンチュウ誘引活性が有ることを明らかにした。 当初、シロイヌナズナの種子ムシゲルから線虫誘引物質の単離を目指す予定であったが、シロイヌナズナの種子ムシゲルは担体では誘引活性をもたず、生きた種皮とシロイヌナズナ種子ムシゲルを同時に混合したときにのみ線虫誘引活性を示す。このことは、種皮の酵素などによって、種子ムシゲルの成分が、真の線虫誘引物質に変換するなどの化学変化が必要であることを示唆している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、フラックス種子の種子ムシゲルについて、フリーズドライ下サンプル固体において、線虫誘引活性はフラクション3~7に強い活性が有ることがわかった。このことから、引き続き、フラクション3~7について、精製を進め、線虫誘引物質の単離を目指す。次の精製ステップとしては、HPLC逆相クロマトグラフィーを検討しているところである。
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