2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16F16411
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
森田 洋行 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (20416663)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AWOUAFACK MAURICE 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
|
Keywords | 抗菌活性 / 植物 / 生物活性化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該外国人研究者が来日の際に研究用試料として本邦に持ち込んだ30種のカメルーン産薬用植物の抽出エキスについて、大腸菌、枯草菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性試験とカンジダに対する抗真菌活性試験を行った。その結果、カメルーン産イイギリ科植物Caloncoba glauca幹のエタノール抽出エキスに強い抗菌活性と抗真菌活性のあることを見いだした。そこで、Caloncoba glaucaの抽出エキスから各種カラムクロマトグラフィーを用いて化合物の単離を進め、単離・精製した化合物についてNMRを初めとする各種スペクトル分析を行い、化合物の構造決定を行った。その結果、新規1種を含む5種の化合物を単離することができた。これらの化合物について抗菌活性と抗真菌活性を評価した結果、これらの化合物に抗菌活性を見いだすことはできなかったものの、単離した化合物の中で、Sesaminとdihydrochelerythrineが弱いながらもカンジダに対する抗真菌活性を示すことを見いだした。現在、当該外国人研究者が本邦に持ち込んだ植物抽出エキス及び単離した化合物の真正細菌の細胞増殖に必須な蛋白質、フィラメント状温度感受性変異株Z(FtsZ)とクロラムセンシングに関わるホルモンの生成に関与する枯草菌由来ComQに対する阻害活性評価を進めるとともに、さらなる抗菌活性化合物の探索を目的に、Caloncoba glaucaの抽出エキスから化合物の単離・精製を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、カメルーン産植物の抽出液の作成と大腸菌、枯草菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性試験、及び、FtsZや枯草菌由来のComQに対する阻害活性評価を行い、強い活性を示した粗抽出液から化合物を単離することを目標としていた。カメルーン産植物のFtsZや枯草菌由来のComQに対する阻害活性評価はやや遅れているものの、2種の化合物から化合物を単離するに至っていることから、総合的に考えて、概ね計画通りに進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
特に強い抗菌活性が見いだされたのは上記1種の植物からの抽出エキスであったが、これ以外にも弱いながらも抗菌活性を示す抽出エキスが確認されている。今後、上記1種の植物抽出エキスからのさらなる抗菌活性化合物の単離及び真正細菌の細胞増殖に必須な蛋白質、フィラメント状温度感受性変異株Z(FtsZ)に対する阻害活性評価を進めるとともに、弱いながらも抗菌活性を示した植物からも化合物の単離・構造決定と生物活性の評価を行うことで、創薬シードとして有望な化合物を取得することを目指す。
|
Research Products
(3 results)