2016 Fiscal Year Annual Research Report
ヒ素による糖代謝異常における膵α細胞の役割に関する研究
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16F16418
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
清野 進 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (80236067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CARMEAN CHRISTOPHER 神戸大学, 医学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-10-07 – 2019-03-31
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Keywords | ヒ素 / 糖尿病 / 毒物学 / インスリン / グルコース |
Outline of Annual Research Achievements |
既報の臨床研究や研究代表者らがこれまで携わってきた研究結果に基づき、ヒ素が膵β細胞とα細胞の機能を障害し、ビタミンDがその障害を改善するという仮説を立てた。本研究の目的はヒ素による糖代謝障害、特に膵β細胞におけるインスリン分泌機能障害の機序の解明と、ヒ素の悪影響に対するビタミンDの改善効果、抗ヒ素作用のある化合物の同定である。 本年度は、ヒ素を暴露させた膵β細胞株を用いて、リアルタイムPCR、ウエスタンブロッティング、ELISAなどによるホルモン測定、顕微鏡によるミトコンドリア機能評価、トランスクリプトーム解析、メタボローム解析などの手法でヒ素による膵β細胞とα細胞障害の機序の解明に対してアプローチした。このうちトランスクリプトーム解析とメタボローム解析の結果から、ヒ素暴露による膵β細胞機能障害に関連のある3つの遺伝子を見出すことに成功した。さらに、それらの3つの遺伝子の発現変化はヒ素の暴露に由来するものであることが示唆された。 また、ヒ素暴露された膵β細胞株における種々の刺激によるインスリン分泌機能の検討を行った。これまでのインスリン分泌実験は、30分の刺激で分泌されたインスリンの積算を用いていたが、時間経過に伴う変化の検討には至らなかった。そのため、インスリン分泌機能をより詳細に解析することを目指し、接着培養した膵β細胞株の潅流実験法に改良を加えた。この実験系の改良は、ヒ素暴露による膵β細胞の機能障害を明らかにするものであり、研究遂行上重要な進捗であったと評価できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者らが長年膵β細胞機能に関する研究に携わってきたことにより、実験法、実験結果に対する評価法が確立されていること、また網羅的解析、特にメタボローム解析を研究施設内で行える環境が整っていたことが研究時間の短縮につながったと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従い研究を進める予定である。特に、本年度改良を加えた潅流実験の手法を用い、ヒ素暴露によるインスリン分泌障害がグルコースセンシングのどの段階で惹起されるかに関しより詳細な解明を目指す。また、解析から見出された3つの遺伝子を操作し、インスリン分泌に与える影響を評価する。具体的には、膵β細胞株にノックダウンの手法を用いて遺伝子発現を低下させ、グルコース刺激によるインスリン分泌機能の検討を行う。さらにヒ素による膵β細胞障害に対するビタミンDの急性期の改善効果の評価を視野に入れて研究を進める予定である。
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[Presentation] Arsenic Exposure Induces Glucose Intolerance and Alterations in Global Energy Metabolism2017
Author(s)
Kirkley AG, Carmean CM, Ruiz D, Ye H, Kamau W, Regnier SM, Poudel A, Hara M, Sargis RM.
Organizer
The Endocrine Society’s 99th Annual Meeting and Expo(ENDO 2017)
Place of Presentation
Orange County Convention Center, Orlando, Forida, USA
Year and Date
2017-04-01 – 2017-04-01
Int'l Joint Research