2016 Fiscal Year Annual Research Report
Energy conversion from green resources with polyoxometalates and ionic liquids
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16F16717
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
上田 忠治 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 教授 (50294822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BERNARDINI GIANLUCA 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-07-27 – 2018-03-31
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Keywords | 微細藻類 / イオン性液体 / ポリオキソメタレート錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
光学顕微鏡およびサイクリックボルタンメトリーを使って,様々な溶液における微細藻類であるクロレラの挙動に関する研究を行った。様々な溶液(油,砂糖,イオン性液体およびポリオキソメタレート錯体が存在する水)において,クロレラがどのように成長するのか,あるいは耐性があるのかを調べた。クロレラの成長を見るために,自然光を当て,空気中に曝した状態で数週間にわたって調べた。溶液は,緩衝液によってpH5 ,7, 9に設定した。特に油に関しては,自然の油分を含むものとしてオレンジの皮やコーヒーを使った。研究の結果,油や砂糖を含む水において,クロレラは死ななかった。オレンジの皮を含む溶液においては,低いpHでクロレラが成長するように示唆された。コーヒーを使った場合もクロレラの成長が見られた。その一方,イオン性液体を加えた時には,成長しているような変化が見られなかった。しかし,クロレラが集団として固まる傾向があった。一方,23種類のポリオキソメタレート錯体を使って実験を行った。ポリオキソメタレート錯体含む溶液中においては,クロレラの増加に関して,最も適したpHは,pH=7の溶液であることが分かった。ただし,ホウ素を含むポリオキソメタレート錯体を使った場合は,高いpHの溶液の方がクロレラの成長に有利であることが分かった。また,負に帯電した微生物を電位で刺激することによって,成長を促す可能性がある。そこで,8つのポリオキソメタレート錯体を様々な支持電解質を含む溶液中におけるクロレラのサイクリックボルタンメトリーを測定した。その結果,ボルタモグラムに変化が見られた。現在,その詳細を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は,かなり新規な内容を含む研究であるため,すべて実験に関して,新たにその手法から開発する必要があった。そのため,当初予定していた実験に対して遅れてしまった。しかし,実験手法がほぼ確立できたので,今後はスムーズに研究が進むと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
H 28年度の研究成果によって,クロレラの成長に有利な条件を見つけることが出来た。次は簡易的な磁場において同様の実験を行う。なぜなら,電荷を帯びているクロレラは,磁場によって凝集する可能性がある。つまり,スケールアップした時に微細藻類を捕集する時に,磁場によって凝集していればより簡単に回収することが出来る可能性が高い。さらに,クロレラの電気化学的な研究を行って,クロレラの凝集に関するメカニズムも明らかにする。加えて,クロレラ以外の微細藻類についても同様な研究を行う予定にしている。
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