2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of Multielectron Reduction of Oxygen by Copper Oxide Clusters in Photocatalytic Mineralizations
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16F16719
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大谷 文章 北海道大学, 触媒科学研究所, 教授 (80176924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG PENG 北海道大学, 触媒科学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
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Keywords | 光触媒反応 / 酸素の多電子還元 / アナタース酸化チタン / 多面体形状粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
光触媒反応は幅広い応用が期待されており,そのひとつは空気中あるいは水中の有害有毒化合物の酸化分解反応,すなわち無機化反応への展開が図られているが,この場合光触媒中に生じる電子―正孔のうち正孔が化合物の酸化に利用され,電子は空気中あるいは水中に存在する電子を還元すると考えられている.酸素は最終的には水にまで還元されるとされているものの,その初期過程が何電子移動過程であるかについては議論されることはなかったといってよい.一方,酸化チタンなどの光触媒に白金や酸化銅などのクラスターあるいはナノ粒子を助触媒として担持させると有機化合物の酸化分解に対する活性が大きく向上することが知られている.これは,これらの触媒上で酸素の2電子還元が起こることが原因と推定されているが根拠はない.本研究では,酸化銅をはじめとする助触媒上での酸素の還元反応における多電子移動過程についての詳細を明らかにすることを目的として,酸化チタンや酸化タングステンなどの安定金属酸化物粉末光触媒を調製し,これに酸化銅をはじめとする助触媒を担持し,それらの光触媒活性を検討した.その結果,担持と非担持での活性比が高く(助触媒の効果がより高い)かつ担持時の光触媒活性が高いモデル光触媒として,部分プロトン交換チタン酸カリウムナノワイヤー(酸化チタン粉末の濃水酸化水溶液中での水熱反応による調製)を原料とする水熱反応によって得られる八面体形状アナタース型酸化チタンおよび塩化チタンを原料とする気相合成反応による十面体形状アナタース酸化チタンが有効であることを見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標としていたモデル光触媒粒子の選定を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に選定したモデル光触媒(部分プロトン交換チタン酸カリウムナノワイヤー[酸化チタン粉末の濃水酸化水溶液中での水熱反応による調製]を原料とする水熱反応によって得られる八面体形状アナタース型酸化チタンおよび塩化チタンを原料とする気相合成反応による十面体形状アナタース酸化チタン)について酸素還元の多電子移動プロセスについて,光触媒反応の速度の光強度依存性の解析によって検討する.このためには,既存の高強度UV-LEDランプ(最大約330 mW/cm2)を用いる予定である.これまでに,酸素の還元が1電子移動の場合には,ペルオキシラジカルを連鎖担体とする連鎖反応機構にもとづいて反応速度が光強度の1/2(0.5)次となることが知られている.酸素の還元が多電子移動の場合には,1つの粒子が複数の光子を吸収する必要があるため,速度の光強度依存性が1/2次からはずれることが予測される.
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