2016 Fiscal Year Annual Research Report
ジベンゾフランのトリフェニレンへの触媒的芳香環リフォーム
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16F16736
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
依光 英樹 京都大学, 理学研究科, 教授 (00372566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FAVA ELEONORA 京都大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
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Keywords | 芳香環リフォーム / フォトレドックス触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、ジベンゾフランの超高効率変換反応について検討を行っている。 既存のベンゾフラン変換反応においては、有機マグネシウムやアルミニウム反応剤、あるいはジボロンなどの有機金属反応剤が必要であり、必然的に官能基許容性に制約が生じていた。 そこで我々は、ニッケル/フォトレドックス共触媒系に着目した。フォトレドックス触媒は近年合成化学の分野において非常に注目を集めている。また遷移金属触媒と組み合わせることで、既存の系では達成し得ない分子変換が次々と実現されている。例えば、光励起されたフォトレドックス触媒への1電子移動によるカルボン酸塩からのラジカル発生と、ニッケル触媒系を組み合わせることで、ハロゲン化アリールとのカップリング反応が達成されている。 ニッケル触媒がベンゾフラン類の炭素-酸素結合切断に対し有効であることを我々はすでに見いだしている。そこにフォトレドックス触媒系によってカルボン酸塩から生じたラジカル種が反応すれば、ベンゾフランの開環を伴う炭素-炭素結合形成反応が進行すると考えた。本共触媒系は有機金属反応剤不要の反応系であるため、広範な官能基に対する許容性を有すると期待される。また、入手容易なカルボン酸塩を炭素源として用いる点からも実用的に優れた反応系だと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アルキルカルボン酸塩を出発原料として用い、ベンゾフランの開環アルキル化を検討した。 フォトレドックス触媒としてはルテニウムやイリジウム錯体などの1電子移動によりラジカル種を発生しうる金属錯体を、またベンゾフランの炭素-酸素結合を切断する触媒としてニッケルを検討しているが未だ望みの反応を実現することはできていない。さらなる条件検討が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
望みのベンゾフラン開環反応が進行しない原因として、フォトレドックス触媒の還元力の低さが考えられる。フォトレドックス触媒は系中で還元剤として機能し、ニッケル0価種を発生させる必要があるが、ニッケル0価種の還元電位の低さゆえにその過程が進行していないと考えている。 今後は還元力の高い、トリス(2-フェニルピリジナート)イリジウム種を光触媒とし、各種ニッケル錯体触媒を検討することで、ベンゾフランの開環反応を進行させることを試みる。 また、フォトレドックス触媒を用いたヘテロ芳香環の開環を伴う変換反応についても幅広く検討する。
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