2017 Fiscal Year Annual Research Report
福祉支援や保全に活用する移動ロボットのためのスティフネスセンサ開発
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16F16739
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
淺間 一 東京大学, 学内共同利用施設等, 教授 (50184156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FARAGASSO ANGELA 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
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Keywords | 視覚によるスティフネス計測 / 触覚フィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,外部装置による触覚フィードバックを開発し,人の触覚による探索や実際の物体を触った時の感覚を人に伝えるものである.それを様々なエンドエフェクタに取り付けられるようにすることで,異なるシステムへの応用を目指している. 本年度は有限要素法によって,デザインの安定性検証や触覚システムの効果の推定を行い,提案するスティフネスセンサは通常のカメラにも取り付け可能であることが分かった.このセンサは複数の片持ち梁によって構成され,外部の物体に触れるときには,異なるスティフネスを有するバネのように働く.この梁の動きをカメラで撮影することで,検査対象の物体に応じて異なる特徴量の変化を捉えることができる.この特徴的な変化は接触点に加えられた力に応じて区別をすることができる.このように弾性の異なる梁を組み合わせることで,カメラによる画像のみで外部の物体のスティフネスを推定することができる.このスティフネスの算出には物体との接触角度には依存せず,またこの提案するセンサは完全にパッシブに動作し,電気は必要とせず,カメラと3Dプリント可能な構造から作られており,非常に安価に作成することができる.本年度は特に作成したセンサの実応用を目指しており,民間企業や医師との議論を通じて,提案するセンサシステムを手術ロボットに導入し,人の体の内部に存在する軟組織のスティフネスを実時間で計測するシステムの構築を検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究が提案するようなセンサシステムは医療用の機器などに実装されている.これらは侵襲性のある機器に使われ人の身体内部の検査に用いられる.これらの機器の操作は人やロボットアームによって行われる.このような操作では人の手に対する触覚フィードバックがなくなるが,提案するセンサシステムを活用することで,触れている組織の弾性などを知ることができる.現在は民間企業や医師と共同し,本システムを手術ロボットに導入可能か検証している. また物体のスティフネスに関する情報は実時間で,そしてカラー情報として得られる.ユーザに対して物体のスティフネスの情報を分かりやすく提示するためには,センサの3次元位置座標や姿勢を知る必要がある.本研究では磁気によるトラッキングシステムとロボットの運動学を用いてセンサの位置姿勢を推定することができている.
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Strategy for Future Research Activity |
不確実性と非線形性に対処するためにセンシングの最適化を行う.これをセンサの構造と独立して行うために,深層学習を用いる予定である.また機械学習を用いることで,視覚的特徴量の運動と物体の特性の関係性を明らかにする. さらにセンサのデザインの最終設計を行い,ロボットによる触診の性能を評価する実験を行う.特に人の体の触診において有効化を調べる.また実際の人による触診のメカニズムを取り入れる.人は未知の物体に対しても探索的に触れて,異なる物体に対してもロバストに判断することができる.ロボットもこのように不確実性に対処し,物体の特性を実時間で知ることが重要である. このセンサの応用研究として,アームを有する移動ロボットに実装することで,環境の地図とともにスティフネスの情報を組み込むことを検討する.
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Research Products
(4 results)