2016 Fiscal Year Annual Research Report
Archaeological researches of cultural exchanges between Japan and Byzantine through the Silk Roads during early mediaeval
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16F16778
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
林 俊雄 創価大学, 文学部, 教授 (50132759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SZMONIEWSKI BARTLOMIEJ 創価大学, 文学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
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Keywords | ユーラシア / シルクロード / 中世初期 / ガラス器 / コイン / 金製品 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表の林は11月末にロシア、ノヴォシビルスクで開かれた学会に出席したが、その会議を主宰したロシアの考古学者グレブ・クバリョフとは、2009年にロシア領アルタイ共和国で遺跡の発掘をともに行い、中世初期に特徴的な赤色象嵌細粒細工装飾品を多数発見した。その遺跡では同時に大量の木炭が出土したので、ぜひ年代測定をするように申し入れておいたが、実行されていなかった。そこで日本に木炭資料を持ち帰って測定することを提案し、数点の資料を持ち帰ることができた。帰国後ただちに東京大学総合研究博物館年代測定室の米田穣教授に測定を依頼したところ、4月中頃にその結果が出た。この結果については、平成29年度の実績報告で述べることにする。 12月初めに林と分担者のシモニェーフスキは愛媛大学東アジア古代鉄文化研究センターで開かれた「古代ユーラシア アイアンロードの探究」に出席し、遊牧地帯に於ける定住民の役割などについてコメントした。また松山市考古館を訪れ、小玉学芸員より、シモニェーフスキが関心を抱いている古墳時代のガラス小玉について詳細な情報をいただいた。 12月半ばに横浜ユーラシア文化館で開かれた草原考古研究会で、シモニェーフスキがビザンツのコインがシルクロードを通って東アジアに流入していたことを研究発表した。 12月末には林とシモニェーフスキが奈良と大阪を訪れ、ペルシア製のガラス器などシルクロード関連の出土品を調査した。また林は大若大学で開かれた科研の研究集会で「中央ユーラシアの墳丘墓」について研究発表を行った。 1月後半には林とシモニェーフスキが山梨県笛吹市の帝京大学文化財研究所で開かれた「中央アジア遺跡調査報告会」に出席し、林は天山北麓の中世初期オアシス都市の最近の発掘情報を発表し、シモニェーフスキはローマ後期から初期イスラームにかけてのガラス器について発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表と分担者はそれぞれ国内外で開かれた各種の研究会、学会で研究発表を行い、出席した研究者から多くの示唆と貴重な指摘を受けた。またそれらの研究者と交流を図ることにより、今後の研究の発展を展望することができた。 各地の博物館、研究所を訪ね、中世初期シルクロード関連の資料を多く実見し、知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
年代測定結果の出た資料のもつ意義について研究を深め、林が海外で開かれる学会で発表する。 分担者は日本国内のシルクロード関連資料を所蔵する博物館・研究機関を引き続き精力的に訪れ、情報を収集する。 代表、分担者ともに学会、研究会に積極的に参加し、研究発表すると同時に、知見を広める。
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Research Products
(12 results)