2016 Fiscal Year Annual Research Report
マルチスケール解析による高強度鋼板のプレス成形における焼付き機構の解明
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16F16787
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
王 志剛 岐阜大学, 工学部, 教授 (30244510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DONG WENZHENG 岐阜大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
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Keywords | 塑性加工 / トライボロジー / 焼付き / プレス成形 / 高強度鋼板 |
Outline of Annual Research Achievements |
高強度鋼板のプレス成形における焼付き現象をマクロスケールから原子スケールまで階層的に解明し、原子スケールでの焼付き機構に基づいてマクロスケールでの焼付き条件の定式化を行う。車体軽量化を実現するために超高強度鋼板の使用量が増加の一途を辿っている。超高強度鋼板の冷間プレス成形において、スプリングバックと焼付きの抑制が技術的な課題となっている。最近使われ出したホットスタンピングの最重要な課題は金型への鋼板めっき層の移着となっている。 金型への焼付きを抑制するために、異なる材質の皮膜を金型表面に被覆する技術が一般的に使われているが、材質の選択はトライ結果に頼り切っており、材料科学的なアプローチからの解明が望まれている。本研究では原子スケールの解析結果に基づいて、被加工材の材質に適合する金型材質を抽出する。また、焼付きに大きな影響を与える界面温度の高精度計測を行い、マクロスケールでの焼付き発生条件の定式化を行う。 平成28年度は、マクロスケールの解析環境の整備を行った。高強度鋼板の焼付き挙動に及ぼす金型被覆皮膜の影響を調べるため、せん断鍛造実験装置の設計を行った。また、側方引張形摩擦試験を行い、金型被覆皮膜の材質、潤滑剤の種類、潤滑油膜の厚さ、摩擦履歴が摩擦挙動に及ぼす影響を調べた。さらに次年度に予定している摩擦界面温度を正確に測定するための先行文献、計測技術の現状調査を行い、必要な実験装置の基本設計を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ予定通りに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定の通りに熱伝達係数の計測装置を設計、製作し、計測実験を行う。
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