2016 Fiscal Year Annual Research Report
Does an infant expect nonhuman agent as a cooperative partner?
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16F16789
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
板倉 昭二 京都大学, 文学研究科, 教授 (50211735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG YING 京都大学, 文学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2018-03-31
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Keywords | 協力行動 / ロボット / ディベロップメンタルサイバネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトは、誰とでも協力関係を築くことが可能である。このような協力関係は、通常、共有する目標や共有する資源に向かう時に生じる。ある研究者は、協力行動はヒトという種に特異的に生起すると考えている。もし、そうであるなら、こうした傾向は、発達初期に現れても得意に驚くべきことではないかもしれない。例えば、先行研究では、14カ月児は、おもちゃを獲得するために、2人が協力した場合、そのおもちゃを一人が独占するのではなく、おもちゃを平等に配分されるべきだと期待(予測)しているらしいことが、期待違反法により示されている。ここで、新たに問題となるのが、乳児は、このような期待もしくは予測が、ヒト以外のエージェント、例えばロボットといったようなエージェントに拡張されるかということである。 このような問いは、AIやロボットの技術が大きな進展を示している現在、極めて重要な問いかけとなると考えられる。 本年度は、14カ月児を対象として、ヒトとロボットの協力行動の知覚について検討した。まず、1)乳児はロボットを協力行動のパートナーとして見なすのか、2)その場合、獲得した資源をどのように分配するのか、ということをresearch questionとした。これまでの報告のように、乳児が文脈に応じてロボットに目標帰属をするのであれば、ロボットをパートナーとしてみなし、獲得した資源の公平な分配を期待するかもしれない。ところが、結果はそうしたことは認められなかった。14カ月児は、おもちゃに対する協力的な目標帰属しなかったと思われる結果であった。この結果は、われわれの仮説とは異なるものであったが、ロボットに対する新奇性が反映されたものである可能性が示唆され、次の実験のデザインを確定し、開始することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、まず、目標としていた最初の実験を終え、結果を得ることができた。結果はわれわれの仮説とは異なるものであったが、Developmental Cyberneticsの視点から、新たのデザインを計画することができた。ロボットに対する注視時間が長かったということから、新奇性を減じるため、実験セッションのビデオに入る前に、発話や社会的な行動をロボットに入れ、短いビデオクリップによって呈示し、ロボットに対する親和性を持たせるようにした。また、こうした成果は、イタリアのミラノで開催された、International Society for Study of Behavioral Developmentのワークショップに採択され発表を行った。このようなことから、計画は概ね順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、同様の手法でデータを収集するとともに、さらにあらたな視点からの実験を行う。すなわち、第3者がどのようにロボットを扱うか、どのような存在と見なすかどうかを検討することである。特に、協力行動において、ロボットに対しても平等な分配を期待するか否かを検証する。
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