2017 Fiscal Year Annual Research Report
Advanced Modeling and Control Methods for Repetitive INdustrial Processes
Project/Area Number |
16F16799
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺野 隆雄 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (20227523)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AN JIANQI 東京工業大学, 情報理工学院, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
|
Keywords | 生産システムの最適化 / 生産システムの制御 / モデルのチューニング / 複雑適応系 / 鉄鋼生産プロセス / 高炉の診断制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
「ものづくり」をさせる生産システムの複雑化に対応するために、新たなモデリングや制御手法が望まれている。本研究では、これを複雑適応システムの観点からとらえて接近する。本研究の独創性は、以下の2点に注目することにある:1)動的な繰り返し生産の過程をプロセスとパスの2次元からモデル化すること。2)プロセスの多数のパラメタをチューニングする手法を実現すること。2017年度は、主に、製鉄プロセスへの適用を念頭に研究を実施した。この研究実績は以下のようにまとめられる。 (1)典型的なバッチ工業プロセスである製鉄業における高炉の上部圧力制御のためのファジーデカップリング法を開発した。(2)2次元モデルとその制御方式について研究を実施し、擬凸コンビネーション法を提案し、時変遅延を伴う2次元離散時間Roesserシステムの安定性解析への応用について議論した。この成果は、IET Control Theory&Applications誌に掲載された。(3) 2次元の決定手法の融合によって、高炉スラグクラスト状態のソフトセンシング手法を提案した。この研究は、ニューロコンピューティングに工夫を加えることで達成された。(4) バッチ工業プロセスで発生する複数の時間スケールの扱いについて研究を実施した。本研究では、複数の時間スケールで発生する測定結果の不整合性を減ずることによって、新たな高炉の故障診断法を提案した。また、高炉運転と状態の関係を複数の時間スケールでモデル化する方法を提案した。これらの成果は、Journal of Process Control誌とControl Engineering Practice誌に投稿中である。(5) トラッククレーン運転時の経路計画問題について、ソフトコンピューティングに基づく新しい方法を提案し、Automation in Construction誌に掲載された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
理論的な観点からの研究の進展は予定のスケジュールを上回っており、複数のジャーナル論文を発表し、また、国際会議での発表も実施できたこと。ならびに、実際の鉄鋼プロセスのデータを利用して、提案手法の有用性を示すことができたこと。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記の各項目について、さらに研究を進展させる予定である。ただし、研究代表者である寺野が、2018年3月をもって東京工業大学を定年退職するため、研究代表者を交代することになった。新たな研究代表者は、東京工科大学のシャ教授である。研究分担者であるアン氏は、中国地質大学在職時より、シャ教授とともに、計算知能関連の共同研究を実施してきており、引継ぎはスムーズに行われた。また、このような研究の実施にあたっては、大量のモデルパラメタを最適化する手法の開発、ならびに、ソフトコンピューティングの手法の適用が不可欠である。これについても、東京工科大学のシャ教授のもとで研究を継続することになる。さらに、これまでの研究代表者である寺野教授は、個人的な立場から、本研究に協力する予定である。
|
Research Products
(10 results)