2004 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトマター:多自由度・階層系の協同的機能発現の新しい基本原理
Project/Area Number |
16GS0203
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 肇 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60159019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 武昭 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20332596)
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Keywords | ソフトマター / 多自由度・階層系 / 階層間の動的結合 / 粘弾性相分離 / 荷電ソフトマター系 / 外場による制御 / 液体・液体相転移 / ガラス転移 |
Research Abstract |
ソフトマターの最大の特徴は、幾重にもわたる動的階層構造にある。我々は、たんぱく質に代表される一見のろまな生体物質が多様かつ優れた機能を効率的に発現する鍵は、大きな自由度を階層的に内包した系に特有な協同的機能発現の様式にあると考えている。この協同性、即ち階層間の動的結合を担う最も本質的かつ重要な因子は、最低次階層を担う液体の流動性であると考えられるが、その具体的な役割は、非局所性に起因した困難さのため未解明のままであった。また、我々は、従来の常識に反し、液体自身にも動的階層性が普遍的に存在し、それこそが液体における未解明の問題を解き明かす共通の鍵であると考えている。そこで本研究では、動的階層構造という概念に主眼を置き、ソフトマターや液体(多自由度・階層系)における動的結合と協同的機能発現の基本原理を明らかにすべく、我々が新しく開発した実験・シミュレーション手法を駆使し研究を行ってきた。本年度得られた主な研究成果をいくつか述べる。(1)単一成分液体における液体・液体相転移がこれまで言われてきた一次転移だけではなく、臨界現象を伴う連続転移を取りうることを発見し、その転移ダイナミクスを詳細に調べた。(2)コロイド・セッケン二分子膜複合系の揺らぎを、電場を用い動的に制御し、その動的階層構造の変化を見出し、フォトニック結晶材料としての可能性を示した。(3)等方液体・液晶混合系の相分離パターンに対する流れ場と配向場の動的結合の重要性を示した。(4)位相コヒーレント光散乱法を応用し、濁った液晶等方相中の配向揺らぎのダイナミクスを選択的に測定することに成功した。(5)組成比が非対称な流体混合系において二重クエンチを行った際に発現する新しい相分離パターンの粗大化機構を発見した。
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Research Products
(6 results)