2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造と活性アニオンを利用した透明酸化物の機能開拓
Project/Area Number |
16GS0205
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
細野 秀雄 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 教授 (30157028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川路 均 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (10214644)
神谷 利夫 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (80233956)
平山 博之 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (60271582)
林 克郎 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (90397034)
柳 博 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (30361794)
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Keywords | エレクトライド / C12A7 / ユビキタス元素戦略 / 金属絶縁体転移 / 活性アニオン |
Research Abstract |
(1)C12A7の大型単結晶をCZ法によって育成することに成功した(Cryst.Growth Design誌掲載) (2)C12A7エレクトライドの粉末が、還元雰囲気下でC12A7粉末を熱処理することで合成可能なことを見出した。 (3)2005年度に見出したメルトプロセスによって大量合成できるようになったC12A7エレクトライドの、電子放出特性を検討した結果、単結晶を処理する方法で合成した2x10^<21>cm^<-3>の電子を含有する試料とほぼ同等であることを見出した。 (4)C12A7結晶に600度Cにてイオン注入をおこなうことによって、Au-イオンをケージ中に包接することができた。 注入したAuイオンの濃度が、空のケージの数を超えると、金のナノコロイドが生成した。Au-のPLはアルカリハライド中のそれとは、波長、寿命とも大きく異なり、ホストであるC12A7に固有のケージ伝導帯か関与してことがわかった。 (5)C12A7結晶の金属化に成功した(Nano Letter2007)。金属チタンと一緒にガラス管の中に封入して、摂氏1100度で加熱することで、カゴの中の酸素イオンをほぼ100%電子で置き換えることが可能になった。その結果、絶縁体から半導体、そして金属にまで変えることに成功した。金属になったことは、以下の2つのことで確認された。 (a)温度が下がると電気抵抗が小さくなる(半導体は逆) (b)磁性をもった不純物を少量加えると、電気抵抗が温度ともに単調に変化せず、ある温度で最低値をとるという非磁性金属に共通に見られる「近藤効果」が、明瞭に観察される。 室温での電気抵抗は、6x10^<-4>Ωcmで金属マンガン(2x10^<-4>Ωcm)と同程度で黒鉛(1.3x10^<-3>Ωcm)より一桁低い。薄膜(厚み100ナノメートル)にすると、肉眼に感じる可視の領域の光は70%以上透過するので、金属や黒鉛のように不透明ではなく、向こうが透けてみえる。
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