2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造と活性アニオンを利用した透明酸化物の機能開拓
Project/Area Number |
16GS0205
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
細野 秀雄 Tokyo Institute of Technology, フロンティア研究センター, 教授 (30157028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川路 均 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 准教授 (10214644)
神谷 利夫 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 准教授 (80233956)
平山 博之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60271582)
林 克郎 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 准教授 (90397034)
柳 博 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教 (30361794)
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Keywords | C12A7 / 単結晶 / エレクトライド / 超伝導 / 電子比熱 / イオン伝導 / 酸素イオン導電体 |
Research Abstract |
本年度に得られた成果は以下のようにまとめられる (1)C12A7の気泡のない大型の単結晶をフローティングゾーン法で作製することに成功した。融液の温度を〜1500Cにすること(これまでは1450℃)と緻密な焼結体をフィードにすることがキーであった。泡のない大型単結晶はCZ法で育成可能であったが、るつぼのRhがイオンとして結晶中に取り込まれ、電子輸送(特に超電導)の研究には支障があったがこれで解消した。 (2)昨年度、発見したC12A7:e-の超伝導転移の機構を低温域での比熱の測定から検討した。電子比熱のTcでのジャンプの大きさと形状から、BCSタイプであると結論した。電子-フォノン結合定数は0.46、デバイ温度は630Kであり、電気伝導を担うのがs電子であるアルカリ金属よりも、かなり大きいことがわかった。 (3)C12A7:O^<2->からの高温域での電界によるO-イオンの放出特性を検討し、試料の背面酸素ガスの分圧の制御とフッ素でゲージ中のO^<2->イオンを部分置換刷ることで、高温真空下でC12A7構造の安定性を改善することで、900℃でO-のみのイオンビームを安定的に得ることができた。」 (4)C12A7中の酸素関連イオンの電気伝導を実験と計算によって検討した。交換メカニズムによるO^<2->の伝導が支配的であるが、O-がゲージ間のオープンマウスを経ての直接的なパスのエネルギー障壁がもっと低い可能性が計算から示唆された。
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