2004 Fiscal Year Annual Research Report
核・オルガネラコンソーシアムによる真核細胞の構築原理の研究
Project/Area Number |
16GS0304
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 寛 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (60222113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 直樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40154075)
野崎 久義 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40250104)
河村 富士夫 立教大学, 理学部, 教授 (10126039)
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Keywords | Cyanidioschyzon merolae / organella / chloroplast / mitochondria / genome analysis / red algae / symbiosis / DNA polymerase |
Research Abstract |
1.本年度の研究ではまず、既に発表したシゾンのゲノム配列の完成を目指した解析を進めた。我々が発表したシゾンの核ゲノムデータは47箇所のギャップがあり、0.02%未解読であったことから、BACクローンを用いたPCR-ブリッジングとテロメアの解読を実施し、100%核ゲノムを解読することができた。これは真核生物で最初のゲノム完全解読である。 2.真核植物の系統関係をシゾンのデータを加えた核コードのシアノバクテリア由来遺伝子で解析した結果、紅藻の2次共生が現生の紅藻が分岐する以前という、従来考えられていた時期より古いことが推測された。 3.第14番染色体のヒストン遺伝子領域の構造を確定させた結果,ヒストンの遺伝子はゲノム上に唯1セット分だけしかないことがわかった。 4.核によるオルガネラ支配機構の解析については、2個の原核生物型DNAポリメラーゼ遺伝子について詳細な機能解析を行い,オルガネラ局在型複製酵素であることを確認した。また、各オルガネラにおけるリボソームを中心とした翻訳制御系の構築原理の解明を目的とし、オルガネラリボソームの単離法について検討を行った。 5.シゾンの生理学的諸性質の解明に向けて、脂質の分析と脂質合成系の遺伝子について解析し,植物とは大きく異なることを見いだした。また、硝酸同化に関わる遺伝子群の構造、局在、発現解析を進め、高等植物よりも単純な制御構造を明らかにした。 6.シゾンの形質転換系、遺伝子破壊系の確立を目指し、プレート培養のみならず、液体培養ベースの選択系の検討を行った。また、プレート培養時には特に強光、酸素などのストレスを最小限に抑えることが重要であると結論された。
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Research Products
(20 results)