2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16GS0310
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西田 栄介 京都大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (60143369)
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Keywords | MAPキナーゼ / 老化 / 線虫 / 初期胚発生 / インスリン経路 |
Research Abstract |
マウスの着床前発生におけるMAPキナーゼファミリー分子の役割について解析し、ERK MAPキナーゼはその発生過程に必要ではないが、JNKとp38 MAPキナーゼが着床前発生過程に必要不可欠であることを明らかにした。実際にJNKとp38 MAPキナーゼがこの時期に活性化していることも示した。 線虫を用いて、インスリン様成長因子/PI3キナーゼ/Akt経路が寿命および老化を制御する機構を解析するために、Aktにより負に制御される転写因子daf-16の転写ターゲット遺伝子を線虫全ゲノムより検索した後、RT-PCRにより遺伝子発現レベルの解析を行い、20個の遺伝子をターゲット遺伝子の候補として同定した。そのうちの一つ、bml-1(と命名)について詳細に解析した。bml-1は、長寿変異体daf-2やage-1において、その発現レベルが高く、短命変異体daf-16ではほとんど発現していなかった。bml-1 RNAiを行うと、daf-2長寿変異体の寿命が顕著に減少し、野生型線虫へのbml-1の過剰発現により、野生型の寿命が顕著に増加した。したがって、bml-1は寿命を正に制御している遺伝子であることが明らかとなった。興味深いことに、野生型にベーターカロテンを与えると、bml-1の発現レベルの顕著な上昇が誘導され、寿命が延びることが示された。その時、bml-1 RNAiを行うとベーターカロテンによる寿命延長が著名に抑制された。また、我々の予備的結果から、daf-16遺伝子の発現が部分的にbml-1に依存していることが示された。すなわち、daf-16とbml-1は互いの遺伝子発現を正に制御していることが示唆された。その分子的機構とベーターカロテンによる制御について、さらに解析を進める必要がある。
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Research Products
(4 results)