2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16GS0315
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内山 安男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10049091)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和栗 聡 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30244908)
柴田 昌宏 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10343253)
小池 正人 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80347210)
|
Keywords | 低酸素能虚血負荷 / 海馬CA1錘体細胞死 / オートファジー / LC3 / カテプシンD / RNAi / DNAマイクロアレイ / リソソーム |
Research Abstract |
1)野生型マウス、カテプシンBおよびDをそれぞれ欠損するマウスを用いた低酸素-脳虚血(HI)負荷実験:1週齢野生型マウスにHI負荷すると、40分から50分で海馬CA1に限局する細胞死を確実に誘導できるようになり、この条件で見ると死に行く細胞にはLC3陽性のオートファゴソームが誘導されることが分かった。カテプシンD欠損マウスでは予備実験で、全て生きることを見ているが、現在、B欠損マウスと共に再度検討を加えている。外国との共同研究で、HI負荷でオートファジーが誘導されることを報告した。 2)ラット短時間脳虚血モデルあるいは低酸素-脳虚血モデルの作製とDNAマイクロアレイによる解:現在、スタンダードとなるラットDNAアレイ(約12000種類)を全組織(800検体)で行い、全ての解析を終わった。予定では、さらに実験を進める所であったが、検体数が非常に多く、解析用のプローブ作りが追いつかなかった。この結果を、虚血実験に向ける予定である。 3)カテプシンDとLC3のコンディショナルターゲッティングマウスの作製:カテプシンDをコンディショナルに欠損させたES細胞まで作製した。現在、これをマウス胚に組み込む実験を開始した。LC3の遺伝子ターゲッティング用のプローブの作製も開始した。マウスLC3の全構造は不明であり、これを決めるために時間を要した。 4)LC3、カテプシンD、Atg4Bのノックダウン用ループ型siRNA・ターゲット配列の作製とPC12細胞への導入:LC3、カテプシンDとLC3をC端側のGlyの後で切断する酵素であるAtg4BをRNAiで発現抑制したPC12細胞を作製した。LC3とAtg4Bの発現は蛋白レベルで10%以下であった。LC3の場合はオートファジーを誘導するとオートファゴソームの形成は抑制されるが、リソソームによる貪食が促進されることが分かった。また、この細胞にNGFを添加した所、NGFのレセプターの発現に変化はないが、突起の伸展が異常に促進され、LC3-Iの機能を解析するための細胞として使えることが分かった。Atg4Bは特に変化はないが、この抗体で全組織における発現を調べた結果、内分泌細胞に発現が強いことが分かった。カテプシンDについては現在解析中である。
|