2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16GS0316
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
磯貝 彰 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (20011992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 博史 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (20294283)
岩野 恵 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (50160130)
渡辺 正夫 岩手大学, 農学部, 助教授 (90240522)
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Keywords | 自家不和合性 / アブラナ科 / ナス科 / バラ科 / 受容体キナーゼ / カルシウム / 情報伝達 / 生殖 |
Research Abstract |
本研究は、アブラナ科植物およびナス科・バラ科植物の自家不和合性反応における情報伝達の分子ネットワークを解明することを目的としている。本年度得られた主な研究成果は以下の通りである。 1.アブラナ科植物の自家不和合性 (1)柱頭細胞膜上の花粉因子SP11の高親和性受容体にSLG蛋白質は含まれないこと、植物培養細胞にSRKを単独で発現させると高親和性のSP11受容体が再構成されることが示された。 (2)SRK下流で不和合性情報を正に伝達していると予測される膜結合型キナーゼMLPKと相互作用する柱頭蛋白質をTwo-hybrid法により複数見出した。 (3)柱頭ESTカタログ化を進めると同時にcDNAマイクロアレイを作製した。予備的な発現変動解析においては、不和合反応時に発現レベルの変動する柱頭遺伝子は見出されなかった。 (4)Ca^<2+>濃度変動のモニター系の確立に向け、シロイヌナズナの花粉および柱頭にyellow cameleon遺伝子を発現させる系を構築した。 (5)不和合性S遺伝子間の優劣性発現機構の解明に向け、複数の劣性SP11遺伝子のプロモーターの塩基配列を解析した。 (6)S遺伝子座とは異なる遺伝子座に支配された一側性の不和合性反応の存在を見出した。 (7)自家不和合性反応と病原菌に対する抵抗性反応の異同を解析するために、後者における遺伝子発現変動を解析する系を構築した。 2.ナス科・バラ科植物の自家不和合性 (1)Two-hybrid法を用い、バラ科植物の雌ずい因子S-RNaseと花粉因子SLF間の相互作用解析を行ったが、Sハプロタイプの異同にかかわらず、ゴマノハグサ科植物で報告されている様な結合活性は検出されなかった。
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