2004 Fiscal Year Annual Research Report
パルス中性子源を活用した量子機能発現機構に関する融合研究
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16GS0417
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
池田 進 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (80132679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 晋一 大学共同利用機関法人, 高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所, 助教授 (00221771)
那須 奎一郎 大学共同利用機関法人, 高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所, 教授 (90114595)
福永 俊晴 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (60142072)
吉沢 英樹 東京大学, 物性研究所, 教授 (00174912)
山田 和芳 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (70133923)
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Keywords | パルス中性子 / 中性子散乱 / 基礎物性 / ナノ物質・材料 / 計測技術 / 偏極中性子 / 国際協力 |
Research Abstract |
本研究費の交付期間は、中性子科学にとってエポックメイキングな期間である。長年の懸案である中性子強度不足を一挙に解決する1MW級パルス中性子源が、世界の三ケ所(日米英)に建設されようとしている。パルス中性子時代の幕開けであり、世界的な協力によって、中性子科学の革新を計る時である。このような時代の到来に向けて、本研究は、日英科学技術協力事業等の国際協力の枠組みを利用して、世界の既存のパルス中性子施設と協力して、技術開発を推進し「パルス中性子科学技術の革新」を計る。他方、この時代は、中性子科学における厳しい世界的競争の幕開けでもある。本研究は、日本唯一のパルス中性子施設KENSの中性子強度を大きく凌駕する英米の既存パルス中性子施設を利用し、さらに、上述の開発技術を付加することによって、日本が将来先導すべき新しい中性子科学の創成を目指して中性子散乱実験を推進し、パルス中性子時代のスタート時をリードすることを目的とする。パルス中性子科学技術の革新を計るために、新型パルス中性子偏極装置、高空間分解能中性子検出器、高分解能中性子速度分別装置、視覚的解析ソフトウェア等の開発研究を推進するものであるが、その中で、平成16年度は特に、中性子偏極装置の開発に重点をおいて技術開発を推進した。また、日本が将来先導すべき新しい中性子科学の創成を目指して、表面・界面量子組織構造の多次元精密構造解析、グリーンプロダクトの量子組織構造と機能発現機構の解明、非一様系における量子組織構造とダイナミックス研究、水素結合を基調とする生体分子ネットワーク研究、酸化物高温超伝導機構の解明等の基礎研究を、主にKENSと英国のISIS施設を用いて、パルス中性子散乱実験により推進した。研究組織内の緊密な連携のためにテレビ会議システムを導入した。
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