2007 Fiscal Year Annual Research Report
パルス中性子源を活用した量子機能発現機構に関する融合研究
Project/Area Number |
16GS0417
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
池田 進 High Energy Accelerator Research Organization, 物質構造科学研究所, 教授 (80132679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 晋一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (00221771)
古坂 道弘 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60156966)
斎藤 努 大学共同利用機関法人人間文化研究機構, 国立歴史民俗博物館・研究部 情報資料研究系, 准教授 (50205663)
福永 俊晴 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (60142072)
吉沢 英樹 東京大学, 物性研究所, 教授 (00174912)
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Keywords | パルス中性子 / 中性子散乱 / 基礎特性 / ナノ物質 材料 / 計測技術 / 偏極中性子 / 国際協力 |
Research Abstract |
本研究は国際協力関係の強化により国内外のパルス中性子施設を用いた科学研究を推進して新しいパルス中性子科学を創成するとともに、その実現に向けた先端的技術開発をすすめるものであり、(1)海外研究施設との共同研究の推進、(2)中性子科学の刷新、(3)中性子技術の高度化、(4)異分野との共同研究による新しい中性子科学の創成を基軸として研究を以下のように推進した。11月に研究会を開催し、展開している研究について議論を深めた。 (1)外国のパルス中性子施設との協力関係を強化して実験研究を推進した。(2)高分子薄膜中におけるナノフィラー分布構造、双性イオン型ポリマーブラシの水溶液界面構造及び感温性濃厚ポリマーブラシの膨潤・潤滑特性の解明をすすめた。水素エネルギー材料やプロトン導電体等の結晶構造と機能についての研究を行なった。全固体リチウム系超イオン伝導体のガラスの非平衡結晶化によって新たに発現した超イオン伝導機構の解明を試みた。中性子小角散乱データからRMC法を用いて超臨界流体の臨界点近傍での密度ゆらぎの可視化に成功した。強相関電子系を扱う経路積分理論においてフェルミオン負符号問題を解決する計算手法を開発した。軌道秩序状態によって誘起されるスピンパイエルス転移の研究、p波超伝導体の強磁性揺らぎや銅酸化物超伝導体の異常磁気励起及びフォノン異常についての研究を推進した。(3)小型集束型小角散乱装置のために、回転楕円体ミラーの開発と湾曲型Si完全結晶を用いたモノクロメーターの開発を行なった。中性子用フレネルレンズの集束効果を確認した。フェルミチョッパーの回転制御技術を進展させた。(4)考古学では、土器の岩石薄片試料からの中性子回折パターンを定量解析するために、鉱物モデルの構築をすすめた。医学では、白内障の発症原因となるクリスタリンの異常凝集過程を紫外線照射の関係において明らかにした。
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Research Products
(211 results)