2016 Fiscal Year Annual Research Report
高校生スピーキングの流暢性の向上に適した指導回数・評価者の検討
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16H00109
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
増見 敦 神戸大学, 附属中等教育学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 発話 / 流暢性 / フィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究目的 : 日本人高校生による発話の流暢性を高める上で, 自己評価・ピア評価・指導者評価の内, いずれが最も効果的であるかを明らかにする。また学習者の習熟度の影響も検証する。 2. 研究方法 : 3つの研究課題(RQ1評価フィードバックの差, RQ2全体の発話量変化, RQ3習熟度上位群・下位群別の発話量変化)を設定し, 以下の調査を実施。 (1)協力者を4群に分割し, 1週間に1回, 3週間にわたる発話活動を実施(無評価群(対照群) : 発話録音/自己評価群 : 発話録音→語数測定→自己評価/ピア評価群 : 発話録音→語数測定→ピア評価を読む/指導者評価群 : 発話録音→語数測定→指導者評価を読む)。 (2)評価コメント(無評価群は除く), 発話語数データの収集及び処理。 3. 研究結果 (1)RQ1 : 量の点でピア評価>指導者評価>自己評価, 質の点で自己評価≒指導者評価>ピア評価の順を確認 (2)RQ2, 3 : 全体・上位・下位全て, 指導者評価>自己評価(下位 : 大)>ピア評価, ピアのみ発話量の減少を確認。 4. 教育現場への活用 (1)評価を発話指導に組み込むこと : 3週間程度の短期でも, 指導者評価や自己評価によって一定の流暢性の向上が得られたことを踏まえ, こうした評価を積極的に指導に取り入れることの意義があると考えられる。 (2)ハード面の整備 : ICレコーダー等の配備, CALL教室の活用等, 学習者が日常的に自分の発話を録音して聞き直せる環境整備が求められる。 (3)指導法の組合せ : 指導者評価の負担(40人規模で約80分必要)を考え, 別の評価を加えることを検討した場合, ピア評価ではなく, 自己評価が相対的に有効と考えられる。自分のL2産出を振り返ることの少ない下位群の場合, まずは自己評価中心で指導を組むのも有効でありうる。 (4)ピア活動の見直し : 発話の流暢性を高めることを目的とした場合, ペアを組んで相手の発話語数を確認しコメントを与えるといった活動については, 発話者の発話量を抑制する可能性も考えられ, 注意を要する。
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Research Products
(3 results)