2016 Fiscal Year Annual Research Report
倫理的消費=エシカル・ファッションを用いたアクティブ・ラーニングの消費教育研究
Project/Area Number |
16H00147
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
葭内 ありさ お茶の水女子大学, 附属高等学校, 教諭
|
Project Period (FY) |
2016
|
Keywords | エシカル消費 / 家庭科 / 障がい者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、エシカル・ファッションを糸口にアクティブ・ラーニングの授業実践を行うことにより、「被服分野と、消費、福祉、環境分野の融合」という、新しい切り口を高校必修の家庭科教育に取り入れ、福祉施設、エシカル・ファッション会社、と外部連携する事により、グローバルな視点から消費の「背景」を身近に捉え、ダイバーシティ社会の実現にも必要なエシカルな視点を育むことを目指した。また、情報科とも連携しITを活用することで、人数、時間、場所等の制約の解消を試みた。対象は、必修高校2年「家庭総合」履修の120名である。方法として、衣服の生産から消費迄の一連の流れを実際に体験し、学びを発信する動画作成を行い、障がい者福祉施設との相互交流を試み、その効果を検証した。まず、エシカル・ファッションブランドと連携してアップサイクルのバックを作り、熊本被災地支援・動物福祉に配慮した調理実習を交え、エシカルの概念の一部を体験した。次に、遠隔地の知的障がい者福祉施設との連携を図り、施設で作られたさをり織と、最も厳しい国際認証を得た有機綿の布から服を作成した。また、米国の環境共生都市ポートランドの事例紹介や、グローバルなエシカル・ファッション企業であるパタゴニア日本支社長による講演会を行い、実際のビジネスの面からのエシカルな活動についての理解を深めた。さらに、グループで協働しながら、エシカル・ファッションのプロモーションビデオを作成した。その際、中間発表等により生徒の相互評価やアドバイスを行った。完成した動画は、インターネットビデオ通話で高校教室と障がい者福祉施設を繋ぐことで発表し、相互交流を行った。授業の各段階や交流前後で調査を行い、検証したところ、消費者市民的視点が育成されたことが明らかとなった。なお動画は、2016年12月に日本最大の環境展示会である「エコプロダクツ2016」のエシカルゾーンにて発表され、一般にも学びを発信した。
|