2016 Fiscal Year Annual Research Report
中学校図形領域における協同学習を取り入れた数学的活動を促す指導に関する研究
Project/Area Number |
16H00160
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
鈴木 誠 東京学芸大学, 附属世田谷中学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 協同学習 / ジグソー法 / 数学的活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究の目的 (1)協同学習を取り入れた数学的活動を促す教材開発を中学校2年図形領域の内容を中心として行うこと。 (2)中学校2年図形領域における, 協同学習を取り入れた数学的活動を促す指導の効果や問題点を事例的に明らかにすること。 (3)昨年度の研究で指摘された問題点について, 改善の方向性を実践授業を通して見いだすこと。 (4)上記(2)(3)を踏まえ, 協同学習を取り入れた数学的活動を促す授業づくりの示唆を得ること。 2. 研究の方法 ジグソー法による指導を念頭に, 中学校2年図形領域の内容を中心に教材開発を行う。その際, 特別な課題を用意するのではなく, 教科書にある問題から新たな教材を開発する。また, 各学校の公開研究会などへ参加し, 情報収集を行い, 協同学習を取り入れた数学的活動を促す指導の意義について検討する。先行研究をふり返り, そこで扱った題材を改善したものを実践することで新たな教材づくりにつなげる。実践授業における生徒の活動をワークシートやアンケートなどでとらえ分析することを通して, ジグソー法を取り入れた指導が数学的活動を促すことにどのように関わるかを事例的に明らかにし, 知見を得る。 3. 主な知見 (1)多角形の内角の和を求める指導において, ジグソー法を取り入れた指導は有効に働き, 多くの生徒はn角形の内角の和を求めることができた。 (2)平行四辺形になるための条件について考察する際, 協同学習を取り入れることは意味のある活動となる。その際に, 数学が苦手な生徒が含まれているグループを中心にグループで思考するための手立てを与えることはある程度有効であり, 先行研究に見られたような間違った理解を少なくすることができた。 (3)平行四辺形になるための条件を考察する授業において, 難度の高いものついては, 協同学習による解決が終わった段階で, 全体の中で解決方法を共有することにより, 生徒たちの理解が深まることが多い。
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