2016 Fiscal Year Annual Research Report
中学校理科教育における動物園・水族館と連携した教育プログラムの開発
Project/Area Number |
16H00180
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Research Institution | 文京区立文林中学校 |
Principal Investigator |
川島 紀子 文京区立文林中学校, 主任教諭
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 中学校理科教育 / 博学連携(学社連携) / 学習プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
現行の中学校学習指導要領(平成20年度改定)では、博物館・科学館との積極的な連携、協力が学習指導要領上で初めて明記されたが、学校現場の実態は7年を経過した現在においてもほとんど進んでいないというのが実情である。研究代表者はこれまで動物園との連携のもと、動物園の標本を活用した授業や動物観察プログラムの学習を行ってきた。そこでの教育効果は特筆すべきものがあり、生徒の動物の体のつくりとはたらきについての理解度が飛躍的に向上し、体験的・問題解決的な学習の効果の高さを示唆する結果を得た。本研究では中学校理科教育における今後のあるべき教育連携のあり方を具体的に見出すための学習プログラムを開発することによって、現在の低迷する科学系博物館との連携の活性化を目的とした。 研究期間においては、日本モンキーセンター、千葉市動物公園、広島市安佐動物公園、国立科学博物館等の専門家と連携し、教材や観察会の提供を受け、学校が実現可能な二つの連携プログラムを構築した。連携プログラムの実施は申請者の勤務先の中学校で行い、プログラム実施後にはその有効性を質問紙調査にて行い、開発したプログラムによって生徒の思考が高まるという有効性を得た。研究遂行の為に合わせて行った博学連携を阻害する要因に関する教員対象の質問紙調査の結果および、開発した学習プログラムの内容や、有効性ついては、9種の学会・研究会で発表を行った。その他、平成29年7月26日に行われた東京都中学校理科教育研究会の教員研修会や、平成29年8月30日に行われた文京区中学校理科教育研究会の教員研修会、また月刊誌「理科の教育」において実践事例の紹介を行うなどして、理科教育に従事する関係者に本研究の還元を図った。 本研究により、博物館と学校連携の構築を促進するためには専門家との互恵的な関係の中で、より多種多様な連携プログラムの開発が不可欠であるという課題も明確となった。
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Research Products
(12 results)