2016 Fiscal Year Annual Research Report
3Dプリンタを利用した高機能誘電体カバー装着簡易レーダーアンテナの試作
Project/Area Number |
16H00373
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Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
松田 英昭 秋田工業高等専門学校, 技術教育支援センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 3Dプリンタ / 誘電体レンズ / ミリ波アンテナ |
Outline of Annual Research Achievements |
天候に左右されないミリ波レーダーは自動車に採用され, 普及が進んでいる。一般的にレーダー用アンテナは用途によって所望する放射パターンが異なるため, 目的に応じて複数のアンテナを設計する必要がある。これに対して, 基本となるアンテナに誘電体レンズを装着するだけでアンテナの放射特性を制御することができれば, 安価でカスタマイズ性に優れたレーダー用アンテナの開発が期待される。本研究では76GHz帯ミリ波アンテナ用誘電体レンズの試作方法について検討し, 今回はレンズ装荷時の放射特性の比較を行った。 レンズを試作するにあたり, 高精度な工作機械のマシニングセンタ(以後, MC)製のレンズと3Dプリンタ製のレンズの比較を行った。レンズの形状を決定するために, まずはミリ波用ホーンアンテナの形状を3次元測定器で採寸し, 得られた寸法を3DCADで図面化した。得られた図面を基にH面方向に主ビームが広角化するようにホーンアンテナ用レンズを設計し, 試作した。MCでの加工時間は準備も含め4時間程度であった。これに対して3Dプリンタは熱溶解積層方式(FDM法)と光造形方式(STL法)の2種類使用したが, どちらも比較的簡単な準備で印刷することができ, 1時間半程度で完成した。全てのレンズで主ビームは広角化し, 3Dプリンタ製でもMC製と同等の性能が得られた。 次に, 主ビームの更なる広角化を狙い, レンズの内部に空洞を設けることとした。事前にFDTD法によるシミュレーションを行って形状を決定し, FDM法により試作した。測定結果より, 提案レンズではさらに広角化できることを確認した。空洞あり誘電体レンズはMCで製作する場合1ピースでは製作できない。3Dプリンタの特徴を活かせば高性能かつ複雑なレンズ形状の加工も期待できると考えている。
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