2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H00588
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
一久 綾 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 技術職員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 睡眠 / リン酸化 / SIK3 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは、これまでに約8,000匹ものランダム点突然変異マウスの睡眠覚醒スクリーニングにより、顕著な睡眠時間延長を示すSleepy家系を樹立し、原因となる遺伝子変異がリン酸化酵素SIK3にあることを明らかにした(Funato et al., 2016)。Sleepy変異により、SIK3は多くの生物で保存されるホモログであるセリン残基(S551)を含んだエクソン13を欠失する。このS551のリン酸化がSleepy家系マウスの睡眠延長に影響している可能性があると考え、睡眠覚醒におけるSIK3蛋白のS551リン酸化状態の変化について検討を行った。 SIK3蛋白のリン酸化解析のため、S551リン酸化特異的抗体と、SIK3の活性部位に存在するリン酸化部位(T221)を抗原としたリン酸化特異的抗体、および、リン酸化非特異的抗体を作成した。野生型C57BL/6雄マウス、Sleepy家系マウスの脳を採取、抽出した蛋白を用いた免疫学的手法により、これらの抗体の評価を行った。その結果、野生型C57BL/6マウス脳蛋白において、SIK3、それぞれの標的部位のリン酸化の検出に成功し、Sleepy家系マウス脳蛋白ではS551リン酸化部位の欠失を確認することがきた。以上より、各リン酸化特異的抗体およびリン酸化非特異的抗体の作成・評価に成功し、特異的抗体を得ることが出来た。今後、この抗体を用い、カフェイン、睡眠遮断など睡眠覚醒に大きな変化をもたらすと考えられる刺激を与えたマウス脳蛋白で、S551を主としたSIK3のリン酸化状態の変化を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Forward-genetics analysis of sleep in randomly mutagenized mice.2016
Author(s)
Funato H, Miyoshi C, Fujiyama T, Kanda T, Sato M, Wang Z, Ma J, Nakane S, Tomita J, Ikkyu A, Kakizaki M, Hotta N, Kanno S, Komiya H, Asano F, Honda T, Kim SJ, Harano K, Muramoto H, Yanagisawa M.
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Journal Title
Nature
Volume: 539
Issue: 7269
Pages: 378-383
DOI
Peer Reviewed
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