2016 Fiscal Year Annual Research Report
ミューテータ突然変異を任意に導入できるモデル動物の作製
Project/Area Number |
16H00596
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
水口 洋子 基礎生物学研究所, 技術課, 技術職員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | ミューテータ変異 / 薬剤誘導 / 遺伝子改変マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
突然変異を多発する単一ミューテータ細胞の挙動は、腫瘍形成の初期プロセスに関連する重要事項にも関わらず、その実態についての解析は進んでいない。本研究では、Creリコンビナーゼを作用させることで、ゲノムを複製するDNAポリメラーゼδをコードするpold1遺伝子に点突然変異(ミューテータ変異)を誘導し、その結果生じるミューテータ細胞の運命を追跡するためのモデル動物の作製に取り組んだ。まず、pold1遺伝子座を改変するための相同組み替えベクターを構築した。点変異を導入したエクソンをloxP配列によって挟まれた野生型エクソン下流に配置し、Creによって野生型エクソンが除去された時に限り変異型ポリメラーゼが発現するよう設計した。次いで、CRISPR/Cas9システムを用いたゲノム編集を応用した相同組替えによってpold1遺伝子座を上記のように改変することを計画した。用いるガイドRNAとその標的配列を複数設計したのち、培養細胞への強制発現系を用いて高い活性を示すものを決定した。、これらのコンストラクトを用いて、現在遺伝子改変マウスを作製している。本研究の成果に基づいて作成される遺伝子改変マウスを、研究対象とする組織で特異的に薬剤(タモキシフェン)誘導的Creリコンビナーゼを発現するマウス、および、Creによる組換えを生じた細胞をマーカー遺伝子によって標識するマウスと交配することで、任意の組織に任意のタイミングで(タモキシフェンを投与することで)ミューテータ細胞を導入し、その挙動を詳細に解析することが可能となる。このような遺伝子改変動物は、謎に包まれた腫瘍形成の初期プロセスの解明などに非常に有用なツールとなることが期待される。
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[Journal Article] SHISA6 confers resistance to differentiation-promoting Wnt/beta-catenin signaling in mouse spermatogenic stem cells.2017
Author(s)
Tokue M, Ikami K, Mizuno S, Takagi C, Miyagi A, Takada R, Noda C, Kitadate Y, Hara, K, Mizuguchi H, Sato T, Taketo, MM, Sugiyama F, Ogawa T, Kobayashi S, Ueno N, Takahashi S, Takada S, and Yoshida S.
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Journal Title
Stem Cell Reports
Volume: 8
Pages: 561-575
DOI
Peer Reviewed
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