2017 Fiscal Year Annual Research Report
「拡張キャンパス型地域連携」による過疎市町村の自律的創生デザイン研究
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16H01803
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
蓮見 孝 札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (60237956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 正幸 札幌市立大学, デザイン学部, 特任教授 (00433128)
城間 祥之 札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (90113571)
細谷 多聞 札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (10272189)
原 俊彦 札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (00208654)
齊藤 雅也 札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (20342446)
山田 良 札幌市立大学, デザイン学部, 准教授 (00452988)
上田 裕文 北海道大学, 観光学高等研究センター, 准教授 (30552343)
片山 めぐみ 札幌市立大学, デザイン学部, 講師 (40433130)
金 秀敬 札幌市立大学, デザイン学部, 講師 (60780103)
矢久保 空遥 札幌市立大学, デザイン学部, 助教 (50780079)
柿山 浩一郎 札幌市立大学, デザイン学部, 准教授 (30410517)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地域創生 / 過疎市町村 / 拡張キャンパス / デザイン / 北海道 |
Outline of Annual Research Achievements |
周辺過疎市町村の自律的な活性化を促し、同時に大学における教育効果を高めるためには、どのような課題を解決し、どのようなプロセスを経るべきかを解明することを目的に、平成29年度は来道外国人旅行者の中心である台湾の学生と日本の学生による国際ワークショップを洞爺湖地区で開催し、新たな体験型観光プログラムの検討を行った。 具体的には【サイトシーング型】【ツーリズム型】【アートプロジェクト型】と定義した観光客向け「ツーリズム」提案をテーマとした総参加学生数54名(札幌18名、東京10名、台湾26名)の「WS(Workshop)型学び」を実施し「教育プログラム」および「観光の型」の比較を行った。結果、「教育」という大学が有する固有の機能を活用することにより、たとえ既存の観光プログラムであっても魅力的な滞在型の観光プログラムへ発展しうる。観光プログラムの内容については、サイトシーング型は、チャレンジ性の高い観光を期待する観光客には適切ではない。ツーリズム型は新しい発見を期待する観光客には適切でない、等との知見を得た。 また、各型の参加意識の変化抽出を目的とした調査手法の検討/実施、エゴグラムによる教育プログラム毎の学生への影響分析手法の検討/実施、スマホアンケートによる参加学生の心理状態の変動把握手法の検討/実施、カメラ付きGPSロガーによる対象物/場所/心理を紐付けた観光地評価手法の検討/実施を行った。 なお、初年度より追加した「フィールドワーク型学び」も継続して実施し、過疎市町村の継続的ビジネスモデルの先進事例調査を、地域住民を参加者として実施した。具体的には、1. 地域資源を活用した体験型プログラム、2. 過疎市町村における持続的ビジネスモデル、を視察し地域の自律を促す知見を得ることを目指した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、学生と商工会青年部毎に「授業型学び」「PBL(Project Based Learning)型学び」を実施する計画であった。 これに対し、商工会青年部に関しては研究者等と共同して「WS(Workshop)型学び」を創造するプロセスにご参加頂くことでの実践的な学び(地域の創造的な観光モデル構築のヒントとなる活動)をして頂くことができた。 学生に関しては「WS(Workshop)型学び」の内容として、【サイトシーング型(授業型学びに近い受け身の観光体験に基づく課題提案)】【ツーリズム型(PBL型学びに近い体験中心の観光体験に基づく課題提案)】【アートプロジェクト型(地域への参画を中心とした提案)】、といった新たな仮説として構築した3つの教育プログラムを並走させたWSの実施を通して、本研究の目的である「教育プログラム」の比較を行うことができた。 さらに前述の、「WS(Workshop)型学び」を創造する経験をした商工会青年部のメンバーを含む地域住民を対象とした地域創生の先進事例調査を目的とした「フィールドワーク型学び」を実施した。この学びを通して参加した地域住民が自立的な活動を開始するといった成果も得た。
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Strategy for Future Research Activity |
「地域創生デザイン学」は新しい学問領域と言え、体系化された学問領域とは言い難いのが実情である。本研究の初年度および第二年度の実証実験結果を踏まえ、ACP型教育フローを継続的に実施する上での課題の抽出と対応策の検討を通した「教育プログラムの策定」を第一の目的とする。また、本研究成果を<地域創生デザイン学>として体系化し、全 国の他の市町村へ展開可能で一般のまちづくりを行う人々にも読みやすい「報告書の編集」を行うことを第二の目的とする。以下に具体的なスケジュールを示す。 【5月】 前身研究、及び本研究の初年度、第二年度の成果内容の整理と課題の明確化 【7月】 「教育プログラム策定」と「報告書編纂」にまつわる役割分担と得られた知見の整理 【9月】 「地域創生デザイン学」に関する研究者間での課題整理と方法論の構築/執筆編纂 【11月】 本研究成果の社会還元を目的とした「報告書」の書籍化を目指した、日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究成果 公開促進費「学術図書」への申請 【2月】 研究のまとめ
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Research Products
(2 results)