2017 Fiscal Year Annual Research Report
多マスタ・多スレーブ選択結合型ミドルウェアが拓く次世代手術支援ロボットシステム
Project/Area Number |
16H01859
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
正宗 賢 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00280933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 敦 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (20283731)
堀瀬 友貴 東京女子医科大学, 医学部, 特任助教 (70749233)
河合 俊和 大阪工業大学, ロボティクス&デザイン工学部, 教授 (90460766)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 手術支援ロボット / マスタースレーブ / ミドルウェア / 脳神経外科 / 内視鏡手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,手術支援ロボットの研究開発の問題点の1つである,迅速なニーズに即した開発環境の即時構築および評価サイクル環境の構築を目指し,手術支援ロボットの機能のモジュール化・基盤技術開発および評価を行うことを目的としている.本年度は昨年度の成果を元に,それぞれ以下の成果を得た. I.異構造かつ異自由度の2種の腹腔鏡把持ロボット(AESOP, P-arm)を対象に,両ロボットのマスタ部・スレーブ部をミドルウェアMRLink経由で接続し,タスク評価実験を行った.その結果,ロボット本来の組み合わせよりも,異種の組み合わせの方が高いパフォーマンスを示すこともあり,タスクに応じてマスタ部・スレーブ部の組み合わせを変更する必要があることを示した.また,腹腔鏡把持ロボットと術者の主体性の度合いを示す3段階の自律レベルを定義し,その自律レベルに従ったロボット制御手法をミドルウェアMRLink経由で実装し,タスク実験により比較・評価した.結果として,自律レベルが高くなるにしたがって,タスク所要時間が小さくなること,および視野展開タスクと術具操作タスクの同時処理ができることを示した. II.脳外科手術支援用ロボット顕微鏡については、ロボットの可動範囲を拡大するための顕微鏡とセンサの位置関係を再検討した. III. これまでに開発してきた内視鏡下手術支援マニピュレータを基に,2種類の円環直線伸縮マニピュレータを開発した.また並行してジョイスティック形状の機構分離型5自由度マスタアームを用いて,スライダクランク式鉗子マニピュレータをスレーブアームとする,ミドルウェアORiN2を介したユニラテラル異構造マスタスレーブPTP制御システムをローカルPCで構築し,遅延時間など本システムの特徴を得た. IV.脳外科手術を例にシナリオ連動するための手術工程認識について調査・検討を行い方向性を定めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腹部外科のロボットについては計画通り開発が進んでいる.脳外科手術支援用ロボット顕微鏡については、可動範囲拡大のための顕微鏡・センサ間のレジストレーションに課題があり再検討したが、改良を実施に目処がついており,全体的に順調に進んでいると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
それぞれの開発項目に対して,改良評価を進める.また,MRLinkについてはこれまでの成果を元に再度検討を行い,完成度を高める.評価研究に向けて,機構的な時間遅れの少ないマスタアームを開発する.また,内視鏡下手術支援マニピュレータLODEMをスレーブアームとする改良を進める.さらに,マスタスレーブCP制御を構築して,複数のマスタと複数のスレーブLODEMを選択結合するミドルウェア実装システムを構築する.脳外科と呼吸器外科を対象とした手術支援ロボット(マスタ・スレーブ)の開発を進め,ORiNをベースとしたMRLinkを用いた動作確認試験を実施する. 進行中の段階ではあるが,国内外の学会等にて研究者に対し積極的に情報発信を行い,類似研究との整合についても検討を行い、本システムの評価・改良を進める.
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