2016 Fiscal Year Annual Research Report
心不全フレイルの診断基準開発を目的とする前向きコホート研究
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16H01862
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 純生 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (80359752)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 心不全フレイル / 大規模コホート研究 / 診断基準開発 / リハビリテーション / 予後予測 / サルコペニア / カヘキシア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は本邦の心不全患者に併存する”身体的フレイル”を、心不全急性増悪による入院後の心イベントの予測という観点よりの診断基準を開発することを主目的としている。研究デザインとしては、全国多施設大規模前向きコホート研究である。初年度(平成28年度)は研究参加施設のリクルートならびに症例登録システムの構築を主作業とした。その結果、以下の成果を得ることができた。 1、全国より35施設の研究協力施設の参加を得て研究体制を整えた。2、症例登録に関するWEBシステムを構築した。3、以上より、平成28年度末までに心不全患者で目標症例数の約半数に相当する1500名の登録を得た。登録数は毎月120例ほどが登録されており、平成29年末では約3000例の登録が見込まれる。目標症例数(3600例)は平成30年度中には可能となると思われる。4、一部の研究協力施設に対して適切なデータ登録を確認するための研究モニタリングを行った。平成29年度には全ての研究参加施設に対して行う予定である。5、研究成果の初年度結果を平成28年12月ドイツで開催された9th International SCWD Conference on Cachexia, Sarcopenia and Muscle Wasting (Berlin)で発表した。現在、研究デザインならびにベースライン症例のデータを提示する論文投稿を準備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は全国35の共同研究施設で症例登録を開始し、3月末までに1500名の症例が登録された。これらの共同研究施設における研究遂行状況は定期的な研究会議や施設訪問によりモニタリングしており、円滑な研究運営に努めている。さらに、研究事務局ではデータベースの定期的なクリーニング作業を行うことでデータの質を担保している。平成28年12月に開催された国際会議9th International Conference on Cachexia, Sarcopenia and Muscle wasting(Berlin)では、研究デザインや暫定的なベースラインデータからみた対象者特性を報告することができた。これまでの中間解析において、心不全におけるフレイルには過去に報告されている心不全予後因子が関連し、その因子は心不全の病型や性別によって異なることが示唆されている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に引き続いて症例登録を進める。具体的には平成29年度末でほぼ3000症例の登録を完了する。平成29年度は本研究データより国内外の複数の学会で積極的に報告することはもとより、ホームページを立ち上げ広く研究成果を公示する。 また論文としては、研究デザインならびにベースラインデータを提示するデザインペーパーを投稿すると同時に、ベースラインデータの横断的解析により心不全に伴う身体フレイルの関連因子を探索し、心不全フレイルの発生機序に関する新規仮説を提示する。
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