2018 Fiscal Year Annual Research Report
心不全フレイルの診断基準開発を目的とする前向きコホート研究
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16H01862
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 純生 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (80359752)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | フレイル / 心不全 / 診断基準 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成31年3月までに、3400例の症例登録が完了し(心不全85%、高齢心筋梗塞15%)、対象者のリクルートが完了した。研究事務局である名古屋大学では、退院後半年以降に行う郵送アンケート調査とともに、主に遠方施設を対象とした研究モニタリングを実施し、対象者データ登録・予後調査を進めてきた。その結果、平成30年度はデータクリーニングが完了し、退院後の予後調査データが得られた心不全約2000例のデータを用いて研究発表、論文検討が可能な状況となった。 具体的には、研究デザインを詳述したプロトコルペーパーを作成・投稿し、国際誌に受理された。加えて、解析結果については、世界最大の循環器系学術集会であるESC CongressのModerated poster sessionに採択されるなど、国内外の主要学会において積極的な情報発信を行った。ESC Congress、日本心臓リハビリテーション学会学術集会では、身体的フレイルに食欲低下が併存した場合の影響について報告し、フレイル患者の食欲低下関連因子を報告した平成31年3月の日本循環器学会学術集会では、日本循環器学会コメディカル賞(最優秀賞)を受賞するなど、国内外において本研究は一定の評価を獲得している。 論文作成については、執筆グループを形成し、複数の副次的研究テーマについてデータ解析・執筆作業を進めている。このうち、複数の演題について平成31年度に開催される国内外の学術集会への演題登録を行った。横断的解析の一部はトップジャーナルへの受理を目指して、執筆・投稿作業を継続している。 次年度には主目的である、アウトカム調査に基づく心不全のフレイル基準の報告が可能となる見込みであり、まずは退院後半年間の短期予後を予測するフレイル基準を世界に先立って発信できる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成31年3月までに症例登録が完了し、研究計画当初に予定していた解析に耐え得る症例数を確保することができた。プロトコルペーパーが受理され、その後の具体的な解析結果についても論文作成作業が進んでいる。平成31年度にはベースラインデータをクリーニング・固定し、追跡調査データの精度を上げることで、主目的であるフレイルの診断基準の検討および副次的テーマについて学会報告・論文投稿が可能となる準備が整いつつある。以上、本研究は計画通り順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、同意の得られた研究対象者のベースラインデータ(入院時・退院時情報)・外来1ヶ月・6ヶ月評価の登録作業を共同研究施設と協力して進める。データクリーニング作業も並行して行い、これらのデータベースの固定作業を早急に進める。加えて、退院後半年以降に研究事務局が実施している郵送アンケート調査と各施設の診療録を基にしたアウトカムデータを整理し、追跡調査についてもデータベースの整備を急ぐ。このように、症例登録完了後も共同研究施設と連携した作業の継続が必要であり、引き続き各施設との密な連絡やモニタリングにより連携を図る。 今後は、横断的解析に加え、大規模データによる縦断的検討も進め、国際誌への論文投稿を積極的に進める。特に、平成31年度は、退院後のアウトカムを予測するフレイル基準の報告を世界に先立って行う予定であり、主目的に直結する解析結果を提示する段階に至っている。このように、複数の論文テーマについて作成が進んでいるが、研究助言委員会の審査・助言により、論文の質向上と円滑な成果発信を担保する。
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[Journal Article] Importance of Geriatric Nutritional Risk Index assessment in patients undergoing transcatheter aortic valve replacement2018
Author(s)
Shibata Kenichi,Yamamoto Masanori,Kano Seiji,Koyama Yutaka,Shimura Tetsuro,Kagase Ai,Yamada Sumio,Kobayashi Toshihiro,Tada Norio,Naganuma Toru,Araki Motoharu,Yamanaka Futoshi,Shirai Shinichi,Mizutani Kazuki,Tabata Minoru,Ueno Hiroshi,Takagi Kensuke,Higashimori Akihiro,Watanabe Yusuke,Otsuka Toshiaki,Hayashida Kentaro
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Journal Title
American Heart Journal
Volume: 202
Pages: 68~75
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 心臓血管外科術後患者の外来心臓リハビリテーション参加と遠隔期身体活動量の推移:前向きコホート研究より2019
Author(s)
亀島 匡高,柴田 賢一,藤山 裕晃,寺井 正樹,清水 琴絵,松井 佑樹,東田 雪絵,島田 晶子,江原 真理子,北村 英樹,山田 純生
Organizer
第83回日本循環器学会学術集会
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[Presentation] 急性心筋梗塞後の心不全合併は回復期身体活動量を低下させる2019
Author(s)
入谷 直樹,都築 正尚,村瀬 数馬,浅井 千香子,大谷 卓巳,中川 香,柴田 賢一,亀島 匡高,作井 大介,瀧野 晧哉,山田 純生
Organizer
第83回日本循環器学会学術集会
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