2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of exercise performance-related genes by whole genome sequencing of world elite sprinters and long distance runners
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16H01872
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田中 雅嗣 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (60155166)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 遺伝子多型 / 全ゲノム塩基配列決定 / 持久系運動能力 / 瞬発系運動能力 / 筋損傷 / 腱断裂 / 加齢性筋減弱症 / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、世界の瞬発系および持久系運動選手のゲノム全領域の塩基配列を次世代シークエンサによって決定し、遺伝子発現制御の特性、遺伝子産物の構造・機能に影響を与えるアミノ酸置換、さらにゲノムの構造変化を網羅的に解析することによって、運動能力に関連する遺伝的素因を解明することにある。骨格筋・血液細胞でのトランスクリプトーム・メタボローム等の解析結果との照合により、骨格筋の代謝的特性ならびに骨格筋・腱の強度に影響を与える多型、呼吸・循環系の適応能力に関連する遺伝的背景を明らかにすることができ、個人の特性に応じた競技種目の選択やトレーニング方法の改善などに役立てることができる。アスローム研究とは、 アスリートのためのマルチオミクス研究 “Multi-Omics Studies for Athletes”であり、ゲノム・トランスクリプトーム・エピゲノム・プロテオーム・メタボローム “genome, transcriptome, epigenome, proteome, metabolome”を包括的に解析する。Athlome Project Consortiumは具体的に4つの目標を掲げる。1) 世界の研究拠点の相互協力体制とバイオバンクを構築する。2) 運動能力、トレー ニングに対する応答、筋損傷易罹患性に関連する遺伝子多型を発見する。3) 探索的研究から得られた遺伝子マーカーの有用性を検証 ・確認する。4) 新たに発見された生物学的プロセスを理解するために遺伝子産物の機能解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
過去に集積されたDNAの質が低いため、高度な塩基配列解析に適さないサンプルが含まれていた。研究参加者から再同意を得て、新たに唾液DNAを収集することを決定した。西および東アフリカ出身の短距離走者と長距離走者1000人の全ゲノム塩基配列解析を目指している。このプロジェクトのフェーズ1はすでに開始されており、最高レベルの12人の短距離走者と12人の長距離走者(世界記録保持者、オリンピック選手、世界チャンピオン)のシークエンシングが行われた。フェーズ2(2016-2018)は、配列決定のためのサンプルサイズを100ゲノムに増加させることを含む。全ゲノム塩基配列決定を行う対象者は、2020年までに1,000に拡大される(フェーズ3)。このシークエンシングプロジェクトの重要な目的は、エリート東アフリカ選手と西アフリカ選手の遺伝子型分布を記録することにある。 1000 Athlomes Projectから生成される大量の遺伝子型データは、1)将来のパフォーマンス研究のための参照パネル、および2)医学における他の極端な表現型研究のためのガイドとして役立つと期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
保存されているサンプルからのDNAの再抽出、ならびに唾液などサンプルの再採取を計画した。しかし、COVID-19パンデミックの期間は新たな試料収集が困難であった。研究者の異動に伴い、倫理委員会の再審査を受ける。世界的な競技会における試料収集を再開する。これまでに、ゲノム全塩基配列解析によって東アフリカの長距離走選手に特有な複数の遺伝子多型を同定した。これらの遺伝子多型の頻度をアフリカならびにヨーロッパ・アジア・アメリカの他集団における頻度と比較し、高地への適応などの可能性を検討する。また、これらの遺伝子多型の表現型に対する影響を明らかにするために、他の大規模な横断的ならびに縦断的疫学研究の結果と比較検討を行う。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Serum growth differentiation factor 15 level is associated with muscle strength and lower extremity function in older patients with cardiometabolic disease2020
Author(s)
Oba Kazuhito, Ishikawa Joji, Tamura Yoshiaki, Fujita Yasunori, Ito Masafumi, Iizuka Ai, Fujiwara Yoshinori, Kodera Remi, Toba Ayumi, Toyoshima Kenji, Chiba Yuko, Mori Seijiro, Tanaka Masashi, Ito Hideki, Harada Kazumasa, Araki Atsushi
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Journal Title
Geriatrics & Gerontology International
Volume: 20
Pages: 980~987
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] The Olympia Declaration2019
Author(s)
Pitsiladis Yannis P., Abatzis-Papadopoulos Manolis, Tanaka Masashi, Wang Guan, Yang Huanming, et al.
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Journal Title
Current Sports Medicine Reports
Volume: 18
Pages: 448~451
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Clinicopathological characteristics of gastric cancer with carbohydrate antigen 19‐9 expression occurring in elderly individuals: An autopsy study2019
Author(s)
Wang Tan, Matsuda Yoko, Nonaka Keisuke, Kakizaki Mototsune, Ishiwata Toshiyuki, Kanazawa Nobuo, Uegaki Satoko, Muramatsu Masaaki, Sawabe Motoji, Mori Seijiro, Tanaka Masashi, Kitagawa Masanobu, Arai Tomio
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Journal Title
Pathology International
Volume: 70
Pages: 92~100
DOI
Open Access
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