2019 Fiscal Year Annual Research Report
「ユダヤ文献」の構成の領域横断的研究――伝統文献概念の批判的再構築に向けて
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16H01923
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
勝又 直也 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (10378820)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ユダヤ学 / ユダヤ文学 / 文献学 / 書誌学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は研究全体の総まとめを行う予定だったが、1月以降世界全体がコロナ禍という未曽有の危機に見舞われ、本研究課題も、研究成果のまとめのために最も重要な最後の三か月間の活動がほぼ停止してしまうという大打撃を受けた。よって、補助金の一部を令和2年度に繰り越すことで、できるだけ目に見える形で研究成果を残すことを試みた。結果的にはコロナ禍の影響はまだ続いており、本研究課題の最も重要な側面の一つである国際的な研究活動は、いまだに十分にできていない。そのような中でも、令和元年度および2年度の研究実績として以下のものを挙げられる。 1)代表者は、2019年7月ベルギーで開催された中世ヘブライ文学の国際学会で、10世紀の詩人ヨセフ・イブン・アビトゥール(スペイン、エジプト)におけるユダヤ文献概念に注目した発表を行った。この詩人の学術的校訂版は、イスラエルの研究者と共に近く出版予定である。当学会ではデジタル人文学に関する発表もあり、有意義だった。同年、ドイツとベルギーの研究者と共に、中世ヘブライ文学における文献、詩人、現実世界との複雑な関係性に注目した編著書を英語で出版した。2020年には、イスラエルとアメリカの研究者と共に、10世紀の詩人シュムエル・ハシュリシ(パレスチナ)におけるユダヤ文献と歴史的現実との関わりを分析した著書を英語で出版した。 2)協力者との共同研究は、2019年12月までは対面で、それ以降はオンラインで、活発に行った。それぞれの協力者が担当する時代、地域、ジャンルにおける文献概念を統合する方法について話し合った。特に、2020年9月に京都ユダヤ思想学会主催で行われたシンポジウムでは、本研究課題の代表者や協力者も発表し、聖書というユダヤ文献の「元祖」が各時代において受容される仕方について比較・検討した。近いうちに本研究課題全体の成果を出版するうえでも非常に有意義だった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(46 results)