2016 Fiscal Year Annual Research Report
「菅浦文書」の総合調査及び村落の持続と変容の通時代的研究
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16H01944
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
青柳 周一 滋賀大学, 経済学部, 教授 (40335162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇佐美 英機 滋賀大学, 経済学部, 教授 (60273398)
宇佐見 隆之 滋賀大学, 教育学部, 教授 (40319562)
水野 章二 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (40190649)
東 幸代 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (10315921)
橋本 道範 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 専門学芸員 (10344342)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 菅浦文書 / 重要文化財 / 中世文書 / 近世・近代文書 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究成果は、1~3の通りである。 1、滋賀大学経済学部附属史料館(以下、史料館と略)寄託の重要文化財「菅浦文書」(1,261点)について、研究代表者・分担者・協力者による研究会を6回開催した(2016年6月11日、7月31日、10月2日、11月20日、17年1月9日、3月15日)。研究会では刊本『菅浦文書』(滋賀大学日本文化研究所史料館編、上巻1960年、下巻1967年)での翻刻内容を点検し、史料中の人物や年代の比定、史料名等を検討した。刊本での誤字や史料名等を訂正し、新たな『菅浦文書集成(仮)』の刊行に向けた作業を進捗させた。今年度に点検・修正した史料は107点である。また研究会での画像データを用いた検討で修正が保留となった史料について、2017年3月29日に研究代表者・分担者・協力者による史料原本を照合し、修正内容を確定した。 2、滋賀県長浜市西浅井町菅浦での現地調査を2回実施した(2016年9月17・18日、17年3月18~20日)。対象は阿弥陀寺保管の近世・近代文書で、撮影した文書の点数は660点、撮影用の目録として入力した点数は1,254点であった。撮影した画像は後日整理し、338点の目録データを修正した。 3、「菅浦文書」関連史料として「伊藤晋家文書」(239点)の目録を作成し、史料館『研究紀要』50号(2017年3月刊行)に掲載した。また東京大学史料編纂所所蔵の「菅浦文書」影写本と関連史料の調査を、研究代表者・分担者・協力者で行った(2017年2月23日)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は刊本『菅浦文書』の点検・修正作業を、史料107点について進めることができた。これで、基盤研究(B)「中・近世「菅浦文書」の総合的調査・公開と共同研究―中・近世村落像の再検討」(2012-15年度)による成果と合わせて通算515点に到達した。「菅浦文書」の総点数(中世文書1,261点)に鑑みて、今後は研究会での作業の効率化を通じた一層のスピードアップを目指す。 「菅浦文書」の関連史料については、「伊藤晋家文書」の目録を滋賀大学経済学部附属史料館『研究紀要』50号(2017年3月刊行)に掲載して公表することができた。現地菅浦で阿弥陀寺に保管されている近世菅浦村文書及び近代菅浦の行政文書等の撮影・目録化作業も進捗させた。これら史料の大半は、歴史学会でも未だ存在が知られていないものである。今年度は近代農村史研究が専門の研究者が現地調査に参加したことで、我々も調査対象史料に関する新たな知見を得ることができた。菅浦現地には未だ数多くの貴重な史料が保管されており、今後の調査と撮影を順調に進捗させるためにも、作業体制の見直しを通じた効率性の向上を図っているところである。 よって本研究は、おおむね順調に進展していると言うことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
刊本『菅浦文書』の点検・修正作業については、事前に研究協力者が下調べした内容を踏まえながら、研究会の場で研究代表・分担・協力者が1点ごとに検討した上で、修正内容を確定するという方法を取っている。次年度もこの方法によって作業を進捗させるが、定期的な進捗状況の点検や、研究会の開催回数の増加(夏期・冬期の集中作業も検討)などによってスピードアップを図る。研究会での検討で修正が保留となった史料に関する原本照合も、次年度は複数回実施する。 滋賀大学経済学部附属史料館『研究紀要』への研究成果の掲載、現地菅浦および他の史料保存機関などでの調査・撮影については、引き続きこれを進捗させる。また研究会および現地調査の上で、その必要が生じた場合には、新たな研究分担者・協力者にも参加を呼びかける。
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Research Products
(7 results)