2016 Fiscal Year Annual Research Report
多様な権利内容に応じた実効的な国際的権利保護制度の構築
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16H01990
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
酒井 一 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (70248095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 真里 大阪大学, 法学研究科, 教授 (10314436)
的場 朝子 京都女子大学, 法学部, 准教授 (20403214)
中野 俊一郎 神戸大学, 法学研究科, 教授 (30180326)
芳賀 雅顯 慶應義塾大学, 法務研究科, 教授 (30287875)
堤 龍弥 関西学院大学, 司法研究科, 教授 (40131528)
渡部 美由紀 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (40271853)
青木 哲 神戸大学, 法学研究科, 教授 (40313051)
大濱 しのぶ 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (90194266)
本間 靖規 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (50133690)
村上 正子 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (10312787)
長谷部 由起子 学習院大学, 法務研究科, 教授 (40159637)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 国際民事執行 / 国際民事保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
5月29日同志社大学、9月4日神戸大学、12月10日早稲田大学及び3月5日大阪大学にて、研究会を開催し、研究報告及び裁判例研究を実施した。裁判例研究に関してはJCAジャーナル誌(6月号、10月号、1月号及び4月号)に国際民事執行・保全法研究会による裁判例研究として成果を公表した。 2月18日に台湾国立大学(台湾・台北市)を訪問し、国際裁判管轄及び判決承認、国際的な子の返還を巡る問題状況についてインタビュー及び意見交換を実施した。 2月19及び20日に東呉大学(台湾・台北市)において、国際民事執行・保全法研究会・東呉大学大会を開催し、台湾における国際民事執行及び民事保全に関する報告を聞き、本研究会からも日本の状況や問題関心に関して報告を行い、質疑応答及び意見交換を行った。台湾における理論上及び実務上の諸問題について調査することができた。 2月22日静宜大学(台湾・台中市)にて国際裁判管轄に関する講演会を実施した。 3月10日にはハム高等裁判所(ドイツ)の裁判官を訪問し、国際的な子の奪取に関するハーグ条約の実施状況及び実務的問題点についてインタビューを実施した。3月13日にはミュンヘンにて2名のミュンヘン大学教授から国際的な子の奪取に関するハーグ条約の実施状況及び実務的問題点についてインタビューを実施した。3月16日にはウィーンにおいてレーゲンスブルグ大学の教授から銀行預金の差押えなどの債権執行を中心とした国際民事執行及び保全に関するドイツにおける状況についてインタビューを実施した。また、ウィーンで開催された国際民事訴訟法学会に参加し、国際倒産の場面における権利の実現に関する報告を聞き、現代における問題状況を調査した。一連のインタビュー等によってヨーロッパにおける現状について調査することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究会の開催に関しは、予定していた4回の例会に加えて、臨時会を1度開催することができた。 台湾でのインタビュー及びミニシンポジウム(研究会)に関しては、台湾の研究者だけでなく実務家の協力及び報告・参加によって、台湾と日本の司法・裁判に対する基本的な姿勢や台湾法の実情について貴重な情報を得ることができ、大変充実したものとなった。 ドイツ法調査に関しては、国際的な子の奪取に関するハーグ条約に関するインタビューを通じて、実務と学説の意識の違いを確認することができ、わが国の実施法の解釈や実務への示唆を得ることができた。国際民事執行に関しても、ドイツ及びEU域内での現在の学説状況を確認することができ、議論のための重要な手がかりを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
4回の研究会を開催し、4回の裁判例研究を公表する。 平成28年度の台湾研究会の成果をまとめ、順次、法政論集に公表していく。 ドイツから学者を招聘し、ハーグ条約に関する問題を中心とするミニシンポを実施し、また、国際民事執行・保全法に関する講演会を開催し、調査の成果及び問題意識を共有し、研究を進める。台湾からも研究者を招聘し、共同研究会を開催することも検討している。 8月末に、ルクセンブルグ及びスイスを訪問し、両国における、国際民事執行・保全に関する問題調査を実施する。スイス又はフランスの研究者も来日に積極的な意向を表明してくれており、調査の結果によって、両国のいずれかから研究者を招聘し、研究会を開催することもありえる。 3月にバーゼルで実施されるドイツ法系民事訴訟法担当者会議に参加し、調査を継続することも予定している。 アジア法系調査については実施方法を含めて検討を要する課題である。現時点では、中国又は台湾から研究者を招聘することが候補となっている。
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Research Products
(11 results)