2016 Fiscal Year Annual Research Report
小売企業の成長戦略を支える組織基盤構築の促進要因と成果に関する研究
Project/Area Number |
16H02035
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
南 知惠子 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (90254234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 克義 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (30197090)
平野 光俊 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (10346281)
松尾 睦 北海道大学, 経済学研究科, 教授 (20268593)
近藤 公彦 小樽商科大学, 商学研究科, 副学長 (10205552)
坂川 裕司 北海道大学, 経済学研究科, 教授 (40301965)
猪口 純路 小樽商科大学, 商学研究科, 教授 (40405486)
金 昌柱 立命館大学, 経営学部, 准教授 (40580501)
西岡 健一 関西大学, 商学部, 准教授 (40553897)
森村 文一 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (80582527)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 商学 / 情報システム / 成長戦略 / 組織基盤 / 企業間関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、小売企業の成長戦略を支える組織基盤の確立が企業の競争優位に結びつく要因を明らかにすることで、製造業とは異なる小売企業の成長と成果について理論的貢献を目指す。 本年度は、小売企業の成長戦略を支える組織基盤確立を概念モデル化するために、研究組織内で研究課題の領域別すなわち、(1)組織、(2)企業間関係、(3)企業グループの行為主体別問題設定し、複数のチームに分かれ、概念的な検討と実証研究とを行った。 (1)の組織については、組織構造(集権―分権)を巡る意思決定問題、管理様式の選択問題、人事・教育制度、知識管理・共有問題に焦点を当てることを中心に複数チームで研究を遂行した。分担者、高嶋と金が小売企業の仕入に関する管理システムと成果について実証研究を行い、森村は、小売企業がチェーン組織における商品政策の標準化と組織の規模拡大との関連性を実証した。平野は小売企業に多くを占める非正規労働者のモティベーションの問題に焦点を当て、人事制度のあり方について検討を行った。松尾は組織内での内省に焦点を当て、内省を促進する管理形態について実証研究を行った。 また、(2)の企業間関係については、研究分担者の高嶋と金が、小売企業の仕入先分散の戦略性の効果に焦点を当て、坂川は、小売の在庫のリーンネスと業績との関係を検証し、西岡はICTが企業間関係に与える影響を概念的に整理した。猪口は、地域農産品ブランド化事業に焦点を当て、小売への影響を示唆した。(3)の企業グループに関しては、近藤が、日本の大手小売企業グループのオムニチャネル戦略について研究を実施した。代表者の南は、これら領域別の研究を統括するとともに、小売企業がICTに基づき顧客接点拡大を行う戦略拡大を行っているのに対し、消費者側の小売企業へのロイヤルティ向上について大規模な実証研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的に沿って、小売企業の成長戦略の組織基盤を行為主体別に、組織、企業間、企業グループと問題領域を分け、それぞれチームにより研究を実施した。当初計画したように、組織構造を巡る意思決定問題や管理様式の選択問題、人事・教育制度、知識管理・共有問題、さらに企業間関係のインフラとなる情報通信技術の適用と組織間統合の成果など、計画した研究にすべて着手し、概念的検討にとどまらず、それぞれ実証研究を行い、一定の成果を上げている。 また、国内外の学会において研究を発表し、論文掲載も順調に行っている。2016年度に実施した実証研究のうち、まだ分析途中のものもあり、その点で、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題について、初年度にはまず概念モデルの検討を行うことを計画していたが、研究チームは既に探索的、部分的に実証研究に着手したので、今後は研究組織の全員のメンバーによる研究集会を複数行い、それぞれの研究進捗を確認しあいつつ、全体としての包括的な研究成果を意図した研究を進めていくことにする。 研究組織内で複数の実証研究を行ったが、まだ部分的な分析にとどまっているものもあり、さらに分析を進め、積極的に知見を導出していく計画をしている。 また、本研究課題について、海外研究者との共同研究も積極的に進め、多様な研究手法や成果報告の場を拡大し、研究を推進していく予定である。
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Research Products
(37 results)