2018 Fiscal Year Annual Research Report
心理職の活動を拡げるインターネット版認知行動療法の開発とプログラム評価
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16H02056
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下山 晴彦 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (60167450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 大介 北海道大学, 情報科学研究院, 准教授 (00556706)
星野 崇宏 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (20390586)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知行動療法 / インターネット版認知行動療法 / ポータルサイト / 臨床心理学 / 心理職 / 動画講義 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年4月から6月において、前年度までの研究成果である認知行動療法を中心とする臨床心理学の技法学習用映像教材をインターネット上で閲覧できる自習用の動画講義として再編集した。専門性の熟達度を考慮して、基礎レベルから応用レベルまで段階的に学習できるシステムとした。試験的に利用してもらい、映像教材の改良をした上で、臨床心理フロンティの無料学習サイトとして公開した。心理職であれば、登録して無料で学習できるシステムとした。それをインターネット版認知行動療法サービスにガイドとして参加する心理職の、自習用の基礎訓練システムとした。さらに、認知行動療法と発達障害に関連する動画講義については、内容を文章化して映像とともにテキストでも自習できる書籍を制作した。
平成30年7月から9月にかけて、上記の自習システムで基礎技能を学んだ心理職をモニターとして、オンライン認知行動療法ポータルサイト「こころの手帖」の試験的運用を行った。それを通して「こころの手帖」を実施する際に、実施ガイドを務める心理職の実践マニュアル暫定版を開発した。また、利用者モニターの聴き取り調査を実施し、「こころの手帖」の使い勝手の悪いところをチェックし、改定を行った。平成30年10月から12月にかけて、協力企業の社員を対象として改訂版「こころの手帖」の実装実験を行い、12月中間報告会を開催し、結果を分析した。その結果、心理職が利用支援ガイドを行うためのシステムに不具合があることが判明した。そこで、実装実験を一時的に中止した。平成31年1月から3月にかけては、「こころの手帖」の実施ガイド用システムの改修を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「こころの手帖」については、各要素を構成するサービス間の連携をスムーズにし、セキュリテイを高める改良は済んでいたが、実装実験を行う過程で利用支援ガイドの運用システムに不具合が見つかったため、大幅なシステムの改修を行った。幸い、平成30年度内にその改定を終えることができた。大幅な改定によって心理職ガイドが積極的に利用者をリードするシステムに修正され、コンセプトの変更もあったため、ポータルサイトの名称も「こころの手帖」から「ココロ・ストレッチ」と変更した。実施できていなかった実装実験の後半部分については、令和1年度に繰り越され、「ココロ・ストレッチ」を用いて行われた。
令和1年4月から5月に実装実験を複数の企業の社員を対象とするアクションリサーチとして実験デザインを再構成した、令和1年6月にアクションリサーチに参加する心理職の教育訓練を行うプログラムを作成し、教育訓練を実施した。
このようにシステムの不具合が見つかり、改定作業で計画が遅れたが、繰り越された4ヶ月の間で、当初予定の作業を終えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、心の健康の予防・促進のために利用者が認知行動療法にアクセスしやすいインターネット版認知行動療法を制作し、実装し、その効果研究を行うことを目的としている。そのため、アクションリサーチによるプログラム評価研究を行い、より使いやすいプログラム開発を具体的な目標とする。
評価研究では、質的な研究も実施し、実施プロセスを丁寧に把握するプロセス研究も実施する。心理職が利用者とインターネットを介してのコミュニケーションができるポータルサイト「ココロ・ストレッチ」をある程度完成させ、利用者がその機能を有効活用するのを支援するガイド心理職のマニュアルと訓練プログラムの完成を目指す。また、できるならば、実践フィールドの特徴に基づくカスタマイズのシステムの開発も開始する
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] Does a self-monitoring mobile app help reduction of problem drinking?: A pilot randomized controlled trial among Japanese problem drinkers.2018
Author(s)
Hamamura, T., Kawai, K., Uchimura, Y., Suganuma, S., Sato, K., & Shimoyama, H.
Organizer
International Congress of Psychological Science, Paris, France
Int'l Joint Research
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[Presentation] How effective is a brief website intervention with personalized normative feedback among Japanese adults with risky drinking? Findings from a pilot RCT2018
Author(s)
Hamamura, T., Suganuma, S., Takano, A., Matsumoto, T., & Shimoyama, H.
Organizer
the 19th Congress of International Society for Biomedical Research on Alcoholism, Kyoto, Japan
Int'l Joint Research
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