2019 Fiscal Year Annual Research Report
サルと自閉症児を対象とした援助行動の生物的・進化的要因解明に関する実験的研究
Project/Area Number |
16H02058
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川合 伸幸 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (30335062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神尾 陽子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・予防精神医学研究部, 客員研究員 (00252445)
香田 啓貴 京都大学, 霊長類研究所, 助教 (70418763)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自閉症 / 援助行動 / マーモセット / 第三者社会交渉 / 自閉症モデル動物 / 不公平忌避 |
Outline of Annual Research Achievements |
H28年度の予備実験で、マーモセットは他個体へ援助せず、むしろ他個体がよい報酬を得ることを忌避する不公平忌避という援助行動とは逆の行動を示すことが示唆された。そこでH29年度は、マーモセットは他個体が自身よりも価値の高い餌を受け取るときに、課題の遂行を拒否する不公平忌避を示すかを検討し、雌雄のマーモセットともに不公平忌避を示すことをはじめて示した(Yasue et al., 2018)。ただし、胎生期にバルプロ酸(VPA)に曝露した自閉症モデル・マーモセットは、不公平忌避を示さなかった。そのことは、第三者の互恵/非互恵的な交渉をバルプロ酸非投与マーモセット(UE)は区別するが、VPAマーモセットは区別しないという先の結果とあわせて、自閉症モデル・マーモセットは、他者や他個体に対する関心が低いことが示唆された。それらのマーモセットが生後15週齢で示した社会性テストの得点と、これらの高次社会認知得点との間に高い相関が認められた。この発見は、生後15週齢で、2歳以降の社会行動を予測できることと示している。 不公平忌避実験を用いて、米国で自閉症者が使用するオキシトシンを鼻腔に投与することで、自閉症モデル・マーモセットに治療効果(他個体への関心の高まり)が得られるかを検討した。個別に経鼻投与訓練を実施し、まず生理食塩水を鼻腔投与した後に不公平忌避実験を実施した。最初の2日間は、パートナーと同じ餌を与えられるが、残り2日間はパートナーが高い価値の餌を得る。この状況においてUEマーモセットはやはり不公平忌避を示したが、VPAマーモセットは不公平忌避を示さなかった。しかし、後にオキシトシンを投与したときにはUEマーモセットの行動は変化しなかったが、VPAマーモセットは不公平忌避を示す傾向を示した。ただし、個体数が少なく有意でなかった。今後、頭数を増やして検討する必要がある。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Presentation] Hyperactivity in the valproic acid-induced marmoset model of autism2019
Author(s)
Nakamura, M., Nakagami, A., Yasue, M., Nakagaki, K., Kawai, N., & Ichinohe, N.
Organizer
Society for Social Neuroscience 10th Anniversary Meeting
Int'l Joint Research
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