2017 Fiscal Year Annual Research Report
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16H02074
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹田 精治 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70163409)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 金触媒 / 触媒の動的構造 / その場観察 / 環境制御透過電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、複雑な原子的構造をもつとされる金触媒(ナノ粒子触媒およびポーラス金触媒など)について統一的な原子的・電子的描像を確立することを目的としている。応募者らが開発した世界最高レベ ルの環境制御・透過電子顕微鏡(E-TEM)に高速カメラを装備させて原子スケール高速その場観察を金触媒について進めている。従来から進めてきた準備実験によって、空間分解能は0.1nm程度、時間分解能はmsオーダー以上として、さらに触媒化学において意義のある実験データを取得するが可能となった。当該年度には、金触媒の一つについて反応環境下において化学反応に関与する金原子、触媒試料に含まれるその他の各種原子および気体分子が協同的な運動をすることで活性な原子的構造を生成させることを明らかにできた。E-TEM観察中の電子線照射効果は、動的な観察においては静的な観察以上に注意を払わなくてはならない。本研究では、E-TEM観察における電子線照射条件を系統的に変化させることと各種環境下での観察結果を系統的に取得して解析することで、金触媒の触媒活性に関わる現象と電子線照射効果による現象を区別できたと考えている。この観察から導かれた触媒構造は第一原理計算による電子論的解析からもその正当性が確認できた。さらに、研究実施計画に従って、金触媒構造の新規な生成法の開発も併せて進めている。以上より、金触媒についての統一的な原子的・電子的描像を確立する当初目的に向かって着実に研究は進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に沿って順調に実験研究が進展しており論文発表もおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に沿って実験研究が順調に進展しており、今後も当初予定通りに推進する。
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