2019 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on the qualitative theory and singularities of nonlinear partial differential equations
Project/Area Number |
16H02151
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
俣野 博 明治大学, 研究・知財戦略機構(中野), 特任教授 (40126165)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 解析学 / 非線形偏微分方程式論 / 反応拡散系 / 解の特異性 / 進行波 / 定性的理論 / 順序保存力学系 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 微小パラメータεをもつ体積保存型Allen--Cahn方程式において,初期時刻の直後に,幅εのオーダーの遷移層が形成されることを証明した.通常のAllen--Cahn方程式の場合は同様の事実は知られていたが,体積保存型方程式の場合は積分微分方程式となるので解析が格段に難しくなり,このような結果は知られていなかった.新しい精密な評価によりこの困難を克服した.(SIMA 2020) 2. 時間周期的な非線形項をもつR上の1次元反応拡散方程式の解の挙動の分類を行った.具体的には,フロント型の初期値から出発した解は,必ず時間周期的に波面の形が変化する進行テラス解に収束することを証明した.ここで「進行テラス解」とは,複数の進行波が積み重なったような形状をもつ解を意味する.非線形項が多重安定型の場合,このような進行テラス解が現れることが非線形項が時間変数に依存しない場合には知られていたが,従前の結果を,時間周期的な非線形項の場合に拡張した.(SIMA 2020) 3. ある種の質量保存則をみたす順序保存力学系のダイナミクスと不動点集合の構造を非常に一般的な枠組みで論じた.具体的には,まず離散力学系の場合を扱い,有界な軌道は必ず不動点に収束すること(収束定理)と,不動点の集合が空でなければ,それは非有界な全順序集合であること(構造定理)を示した.次に,この結果を連続力学系に拡張し,さまざまな応用(ある種の反応拡散系や時間遅れのある方程式)を提示した.(DCDS (A) 2020) 4.時間周期的な非線形項をもつR上の1次元反応拡散方程式の解の挙動の分類を行った.具体的には,コンパクトな台をもつ非負の初期値から出発した解は,かならず時間周期解に収束することを示した.(J. Math. Pure. Appl. 2019) *その他,反応拡散系の波面の広がり現象などに関する結果を得た.
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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