2017 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of synthesis and outward acceleration of circumstellar matter through simultaneous multiple-band high-resolution radio imaging
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16H02167
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
今井 裕 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (70374155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝木 義晴 国立天文台, チリ観測所, 准教授 (00332148)
河野 裕介 国立天文台, 水沢VLBI観測所, 助教 (00370106)
小川 英夫 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (20022717)
新永 浩子 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (20709589)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 宇宙物理 / 超長基線電波干渉法(VLBI) / 複数波長帯電波同時観測 / 宇宙メーザー / 恒星進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2部構成になっており、最終的にこれらが一体として実施される予定である。(A)複数波長帯電波同時観測システムを、高感度を実現する野辺山45m電波望遠鏡に構築する。(B)日韓VLBI事業(KaVA)及び東アジアVLBI観測網(EAVN)大型観測プログラムを推進し、晩期星からの質量放出の様子を反映する星周メーザー源の長期的振舞いを統計的に把握する。(A)においては、システムの骨幹を成し開発してきた大型周波数選択板ついて、開発すべき2種類の板について開発に成功し、それらを実装・試験を行った。13mm及び7mm帯においては、単一鏡及びVLBI観測実験まで実現した。(B)については、完了したKaVA大型観測プログラムのデータ解析を進めた。H2O/SiOメーザー放射のVLBI観測における検出・未検出の統計をとり、両方のメーザーが検出された長周期変光晩期星(主にミラ型変光星)6天体を選出して、今後数年間の連続撮像観測の計画をまとめた。(A)、(B)に関連して、(C) 非常に高い振動励起状態(v=3)のSiOメーザー放射の統計的分析を進め、脈動変光の中で非常に短い期間(1周期の1/10程度)でのみそれらが観測され、その期間の中で他の振動励起状態のSiOメーザー分布に対して相対位置を急速に変化させているということが示唆される観測結果を得た。(D)ALMAでも同様な晩期星を観測し、1.3mm帯のSiOメーザー源の撮像に成功し、晩期星表面直近のガス運動を詳細に把握することができる新たなツールを獲得できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
TZ受信機が故障していることが判明し、その修理と配備・試験観測を次年度実施することにした。この年度では13mm帯7mm帯同時観測に集中して進めることにした。単一鏡観測については各種測定が進んだが、VLBI観測の方は新規導入したA/D変換器を試験観測による立ち上げが大幅に遅れてしまった。一方で超広帯域A/D変換器を実装する条件が整い、配備まで漕ぎ着けた。KaVA大型観測プログラムで取得したデータの処理と像合成が、データ処理パイプラインがほぼできたにも関わらず、データ処理に専念できる人材の確保が追いつかず大幅に遅れた。その一方で、KaVA/EAVNの運用事情により著しく利用できる観測時間が限られてはしまったが、KaVA/EAVNを用いた複数メーザー源の連続撮像事業が採択され、次年度から本格的に着工する目処が立った。複数バンド間のデータ較正法の開発・実践も依然大きな課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
野辺山45m鏡へのVLBI観測装置の導入と各種試験は、指導する学生の卒業研究課題の一部に位置付けて実施し、観測事業の遂行のノウハウを確実に蓄積するようにする。失敗が続いたVLBI試験観測についても、装置の特性や運用ノウハウの蓄積を通して成功信頼度を高め、科学的VLBI撮像を実現する。TZ受信機の修理・試験は、研究費予算を次々年度分を前倒しで執行して次年度に完了させる。これをもって、3バンド同時観測の手法を確立する。懸案となっているKaVA大型観測事業におけるデータ解析は、それに専念する研究支援者を雇用してこれに充て、週間報告を通して進行状況と問題点を確実に把握するようにする。また、上海と新疆の若手研究者と連携を組んでEAVN試験観測を進めて、KaVAの発展形であるEAVNにおける大型観測事業への移行を実現する。VLBI観測する望遠鏡の台数を増やし感度を上げることにより、より短い観測時間で長期監視観測体制を確立させる。次年度は、そのような取り組みの過渡期であるが、3天体程度に対してこのような監視観測を遂行し、星の脈動変光に伴う星周メーザーの周期的振る舞いを見出すところまで進めたい。
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] Sun-sized Water Vapor Masers in Cepheus A2018
Author(s)
Sobolev, A. M.; Moran, J. M.; Gray, M. D.; Alakoz, A.; Imai, H.; Baan, W. A.; Tolmachev, A. M.; Samodurov, V. A.; Ladeyshchikov, D. A.
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: 856
Pages: 60 (9 pages)
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] A dearth of OH/IR stars in the Small Magellanic Cloud2018
Author(s)
Goldman, Steven R.; van Loon, Jacco Th.; Gomez, Jose, F.; Green, James A.; Zijlstra, Albert A.; Nanni, Ambra; Imai, Hiroshi; Whitelock, Patricia A.; Groenewegen, Martin A. T.; Oliveira, Joana M.
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Journal Title
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society
Volume: 473
Pages: 3835-3853
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Phase correction for ALMA. Investigating water vapour radiometer scaling: The long-baseline science verification data case study2017
Author(s)
Maud, L. T.; Tilanus, R. P. J.; van Kempen, T. A.; Hogerheijde, M. R.; Schmalzl, M.; Yoon, I.; Contreras, Y.; Toribio, M. C.; Asaki, Y.; Dent, W. R. F.; Fomalont, E.; Matsushita, S.
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Journal Title
Astronomy & Astrophysics
Volume: 605
Pages: 121 (26 pages)
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] A comparative study of amplitude calibrations for the East Asia VLBI Network: A priori and template spectrum methods2017
Author(s)
Cho, Ilje; Jung, Taehyun; Zhao, Guang-Yao; Akiyama, Kazunori; Sawada-Satoh, Satoko; Kino, Motoki; Byun, Do-Young; Sohn, Bong Won; Shibata, Katsunori M.; Hirota, Tomoya; Niinuma, Kotaro; Yonekura, Yoshinori; Fujisawa, Kenta; Oyama, Tomoaki
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Journal Title
Publications of the Astronomical Society of Japan
Volume: 69
Pages: 87 (26 pages)
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] 野辺山45 m電波望遠鏡搭載同時観測用周波数フィルタの開発(II)2018
Author(s)
岡田 望, 橋本 育実, 保田 大介, 高田 勝太, 本間 愛彩, 木村 公洋, 千葉 正克, 真鍋 武嗣, 大西 利和, 小川 英夫, 南谷 哲宏, 宮本 祐介, 宮澤 和彦, 宮澤 千栄子, 小山 友明, 岸本 直子, 水窪 耕兵, 澤田-佐藤 聡子, 今井 裕
Organizer
日本天文学会春季年会
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[Presentation] 野辺山 45 m 電波望遠鏡搭載同時観測用周波数フィルタの開発2017
Author(s)
岡田 望, 橋本 育実, 高田 勝太, 本間 愛彩, 木村 公洋, 千葉 正克, 真鍋 武嗣, 小川 英夫, 大西 利和, 南谷 哲宏, 宮本 祐介, 宮澤 和彦, 宮澤 千栄子, 岸本 直子, 水窪 耕兵, 澤田-佐藤 聡子, 今井 裕
Organizer
日本天文学会秋季年会
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[Presentation] 野辺山 45m 電波望遠鏡複周波数バンド同時観測プロジェクト (Hybrid Installa- tion Project in Nobeyama, Triple-band Oriented)2017
Author(s)
澤田-佐藤聡子, 今井裕, 半田利弘, 新永浩子, 水窪耕兵, 小川英夫, 真鍋武嗣, 木村公洋, 岡田望, 橋本育実, 南谷哲宏, 小山友明, 河野裕介, 砂田和良, 田村良明, 坂井伸行, 朝木義晴, 亀野誠二, 新沼浩太郎, 藤澤健太, 米倉覚則
Organizer
日本天文学会秋季年会
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