2019 Fiscal Year Annual Research Report
電子・陽電子コライダーにおけるトップクォーク物理の国際的展開
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16H02173
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 均 東北大学, 理学研究科, 教授 (00333782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 恵介 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (30181308)
栗原 良將 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 講師 (50195559)
隅野 行成 東北大学, 理学研究科, 准教授 (80260412)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 電子陽電子コライダー / 国際リニアコライダー / トップクォーク / ボトムクォーク / QCD |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度から本格化した LAL-ORSAY研究所(現在のIJCLab)のRoman Poeschl教授のグループとのILCにおけるtop quark再構成の共同研究を発展させ、修士学生一人の修士論文とした。これはLAL-ORSAY研究所の学生との緊密な協力によるもので、電子陽電子衝突によるtop quark対の生成において、我々は電子が右巻きに偏極した場合を、そしてLAL-ORSAYは左巻きに偏極した場合を研究し、合わせて一つの重要な成果となるものである。この研究は東北大学の修士学生のよって年度最大の素粒子物理学国際会議(Lepton-Photon 2019, Tronto)で口頭発表され、さらに仙台で開催されたLCWS2019でも学生によって発表された。また、電子陽電子衝突によるb-quark対の生成はb-quarkの質量を測定するのに適しているが、ここでは我々の修士の学生一人がIFIC ValenciaのFuan Fuster教授のグループとの共同研究を開始した。ここでは、top quark対の生成の再構成を通して得られたテクニックと知見を効果的につかうことができる。理論面では、強い相互作用の結合定数αsを精密決定し、結果をJHEPに発表した。この結果は将来ILC計画においてトップクォーク質量の決定や、他のさまざまな物理量の測定において役に立つ。またLCWS2019でボトムクォーク質量の精密決定について講演を行った。QCDの枠組みの中でのb-quarkの研究をすすめた。この理論研究は上のb-quarkの質量を測定を解釈するうえで欠かせない。精度面では、上に述べた共同研究をより効果的に実施するために、パリ・サクレー大学(IJCLabの母体)との大学間協定、ペインとはバレンシア大学(IFICの母体)との部局間協定の締結のためのプロセスを開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電子陽電子衝突機を使ったHeavy Flavorに関する国際的共同研究が、フランス(LAL-Orsay研究所)とスペイン(IFIC Valencia)の二つのその分野では世界で最も進んでいるとされるグループとの間で大きく進展した。それは特に若手の成長に寄与し、来年度にさらに発展させる基盤となった。理論面でも、実験結果の解釈に必要不可欠なQCDの研究を進め、来年度には必要な結果(精度)が得られる目処がついた。
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Strategy for Future Research Activity |
トップクォークの物理研究において世界をリードする海外のグループ二つと正式な協定に基づいた共同研究を推進する。具体的には、フランスのパリ・サクレー大学の研究機関 IJC研究所 (Laboratoire de Physique des 2 Infinis Joliot-Curie) のRoman Poeschl教授のグループとは これまでも緊密な共同研究を行ってきたが、大学間協定およびダブルディグリー協定を結び、東北大学の大学院生を約半年にわたってIJC研究所に派遣してトップクォーク再構成を完成させる。また、スペインの バレンシア大学のIFIC(素粒子物理学研究所)のJuan Fuster教授のグループとの共同研究を推進し、トップクォークとbクォークの対生成に関する共同研究をおこなう。そのため、東北大学の大学院生を約1ヶ月間派遣し、また部局間協定を締結して実験と理論両面において緊密な 協力関係を構築する。
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Research Products
(19 results)
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[Presentation] ttbar experimental talk2019
Author(s)
Ryo Yonamine
Organizer
The 2019 International Workshop on the High Energy Circular Electron Positron Collider (CEPC2019), 2019 (Nov)
Int'l Joint Research / Invited
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