2019 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental study of the interaction between two units of strangeness via double-Lambda and Xi hypernuclei
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16H02180
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
仲澤 和馬 岐阜大学, 教育学部, 教授 (60198059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 香 岐阜大学, 教育学部, その他 (70022738)
中村 琢 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (70377943)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 実験核物理 / ダブルラムダ核 / グザイハイパー核 / 原子核乾板 / 荷電粒子飛跡自動追跡 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、昨年度から開始したグザイ粒子候補飛跡の全自動追跡を終了した。 その結果、ダブルラムダ核およびグザイハイパー核を、先の実験の約4倍に匹敵する34例検出することに成功した。特にグザイハイパー核は、過去2例に加えて6例のグザイが窒素に吸収されたと同定でき、1例は基底状態(1s)と考えられる明確に深い軌道(約6MeV)、2例は基底状態が一つ上の励起状態(2p:1~2MeV)である。その他3例は崩壊モードに2通りの可能性があるが、どちらかの可能性が1sまたは2pと矛盾しない。 測定誤差を考慮しても、1sと2pの分離が明瞭に見えることから、二つのラムダとグザイ+核子との混合は、さほど大きくないことが理解できた。また窒素吸収のグザイハイパー核の崩壊ではすべてが、ヘリウムハイパー核3つ、あるいはヘリウムハイパー核とベリリウムハイパー核であり、安定なアルファを芯とするハイパー核へ崩壊するという様相が明らかとなった。炭素、あるいは酸素にグザイ粒子が吸収される場合には、先のように深い軌道での束縛が見られないのも大きな特徴として明らかになった。いずれにしても、グザイハイパー核におけるグザイ粒子の占める核内準位構造を始めて垣間見ることに成功した。 一方ダブルラムダ核においては、13例の検出に成功したが、単一に解釈できる事象は新たになく、今後の全面探査でさらなる発見による新たな知見が期待される。また今年度計画していた、0.01MeVのエネルギー分解能を得るために必要な、乾板の密度較正に用いる天然由来のアルファ線の数も、崩壊娘粒子の質量誤差にもよるが、おおむね100~200あれば十分であることを突き止めた。 新たに新聞2紙(朝日、読売)で紹介されるとともに、物理学会の企画講演(1件)、査読付きconference paper8編(外国人5名、日本人3名)、国内学術誌1編が掲載された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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