2016 Fiscal Year Annual Research Report
別府湾柱状堆積物の解析にもとづく過去8000年間の太平洋十年規模変動の復元
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16H02232
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 正伸 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (60332475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加 三千宣 愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 准教授 (70448380)
竹村 惠二 京都大学, 理学研究科, 教授 (00201608)
池原 研 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 研究員 (40356423)
入野 智久 北海道大学, 地球環境科学研究院, 助教 (70332476)
原口 強 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (70372852)
池原 実 高知大学, 教育研究部自然科学系理学部門, 教授 (90335919)
高原 光 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (30216775)
大森 貴之 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (30748900)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 古気候 / 古海洋 / 太平洋 / 気候変動 / PDO |
Outline of Annual Research Achievements |
別府湾で採取された長さ20mの柱状堆積物を用いて,4年解像度で古水温の解析と魚鱗量の測定を行い,過去約8000年間の太平洋十年規模変動とそれに伴うレジームシフトを復元する.特に,夏季日射量が現在よりも高かった中期完新世(8,200年前から4,200年前)や過去1万年間で世界最大規模の鬼界カルデラ噴火(7,300年前)前後に着目し,太平洋十年規模変動(PDO)およびレジームシフトの挙動と地球の放射収支との関係を検討する. 試料の分取,試料の肉眼記載,物性測定,CTスキャン分析,XRFスキャン分析を終了し,コア間対比を行い,イベント層と半遠洋性泥を識別した.分取した試料について,アルケノン分析,魚鱗分析,花粉・胞子・微粒炭の分析を進めた. 堆積物の観察および堆積学検討により中期完新世層準は後期完新世層準に比べてイベント層の挟存する頻度が低いことが明らかになった.鱗分析の結果,マイワシとカタクチイワシの鱗数が過去8000年間10年規模変動を示すことが明らかになった.花粉分析の結果,常緑広葉樹林が8000年前にはすでに成立しており,その後大きな変化がなかったことが明らかになった.陸起源バイオマーカーの分析の結果,最近の300年間は別府湾内に流れ込む陸上植物の供給源が大きく変化したことが明らかになった.GDGTの分析の結果,GDGT組成から洪水層を同定することができる可能性が示唆された.鱗を用いた放射性炭素年代測定法を検討し,測定が可能であることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り,試料の分取,試料の肉眼記載,物性測定,CTスキャン分析,XRFスキャン分析を終了し,コア間対比を行い,イベント層と半遠洋性泥を識別した.分取した試料について,アルケノン分析,魚鱗分析,花粉・胞子・微粒炭の分析を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は,アルケノン分析,魚鱗分析,花粉・胞子・微粒炭の分析を進め,十年規模の環境変化を復元するとともに,年代モデルの精度を上げるために,鱗と全有機物の放射性炭素年代測定を進める.また熱分解放射性炭素年代法の検討も進める.
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Research Products
(3 results)