2019 Fiscal Year Annual Research Report
完全抗体をスーパー抗体酵素に変える革新的技術の開発
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16H02282
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
一二三 恵美 大分大学, 全学研究推進機構, 教授 (90254606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 龍一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (50240833)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 抗体酵素 / Amyloid-beta / PD-1 / X腺結晶構造解析 / 抗体酵素変換技術 / 抗体軽鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初は抗体酵素の構造決定を進め、構造学的知見を元に「抗体の酵素化」を進める計画であった。ところが、ある種のkappa型軽鎖では、超可変領域(CDR)-3領域で高度に保存されているPro95の有無が、酵素作用の発現と密接に関係していることを見出した。今年度は、これが普遍的な現象であり、抗体軽鎖に酵素作用を付与する革新的技術と成り得るか否かを詳細に検討した。 具体的には、性質の異なる3クローンの抗体軽鎖(T99, #7TR, H34)を選び、これらに対してPro95関連の変異体を作製してペプチダーゼ活性を比較した。その結果、T99ではPro95を欠失する変異体においてAmyloid-betaに対する分解活性が大幅に上昇する事を認めた。また、#7TRでもPro95を欠失する変異体では合成基質R-pNAに対するペプチダーゼ活性が大きく増加する現象を確認した。さらには、Pro95を欠失し、PD-1に対する髙い加水分解活性を有するH34に対して、Pro95を導入した変異体を作製すると、酵素活性は大きく低下した。一連の実験結果は、CDR-3に存在するPro95が軽鎖の酵素機能発現に大きく影響することを示しており、通常の抗体を酵素化出来るという概念と革新的技術を開発するに至った。 一方、抗体酵素のX-線結晶構造解析に関しては、本年度は4種類の抗体酵素クローンについて、結晶構造を決定するための実験を行った。そのうち、T99C220Aについては、オリゴ核酸との複合体を得るための条件を見出し、H34では、低分解能回折を与える結晶を得た。また、T99C220A_P95 deltaでは、2.0 angstrom分解能での構造決定に成功し、その構造から酵素活性を獲得する機構を考察した。T99C220A_P95 deltaのX-線結晶構造解析野結果と分子モデリングの結果とは良い相関を見せた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(17 results)