2017 Fiscal Year Annual Research Report
シングルnmスケールアノード酸化ポーラス構造の形成と電子・光局在デバイスへの応用
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16H02297
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
益田 秀樹 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (90190363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳下 崇 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (50392923)
近藤 敏彰 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (20513716)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度は,以下の4点の研究を実施した. (1)シングルnmスケール規則ポーラスアルミナの作製を目指し,陽極酸化条件の検討を進めた.具体的には,陽極酸化に用いる電解液の種類や濃度,浴温について検討を行った結果,硫酸電解液に添加剤の導入が,細孔配列の規則化に効果的であることが確認された. (2)ALD法による細孔径の微細化について検討を進めた.ALDによって細孔壁にアルミナ層を単原子層づつ堆積させることによって,ポーラスアルミナの細孔径を5nm以下まで微細化することに成功した.シングルnmスケールの細孔は,電子顕微鏡による評価が困難であったが,気体吸着法が細孔径分布測定法として有効であり,シングルnmスケールで細孔径評価を行うことが可能となった.加えて,ALDのプロセス回数を変化させることにより,細孔径が制御されたシングルnmスケール規則ポーラスアルミナの作製が可能であることを明らかにした.ALDプロセスでは,条件の最適化を行うことで高アスペクト比細孔の底部まで細孔径を均一に微細化することも可能であることが確認された. (3)細孔配列規則化機構についてシミュレーション解析を行った.ポーラスアルミナの規則化構造形成のモデル計算として,加熱流体層において観察されるベナール対流に着目し検討を進めた. (4)陽極酸化ポーラスアルミナを鋳型として作製したZnOナノワイヤアレイを電極とした太陽電池の高効率化について検討した.透明電極上に形成したポーラスアルミナを鋳型としてZnOナノワイヤアレイを作製した.このようにして得られた透明電極を有機薄膜太陽電池の集電用電極とし,太陽電池を形成した.ナノワイヤーの構造と光電変換効率について検討を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で目的としている,シングルnmスケールの高規則性ポーラスアルミナの形成において,ALDによる細孔径の微細化条件について検討を進めた結果,10nm以下の細孔径を有するポーラスアルミナの作製と細孔径制御が可能であることを明らかにした.
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Strategy for Future Research Activity |
以下に示す項目を中心に検討する. (1)自己組織化プロセスにもとづくシングルnmスケール規則ポーラスアルミナ形成条件の探索.(2)ALDにもとづくシングルnmスケール規則ポーラスアルミナの作製.(3)細孔配列規則化機構のシミュレーション解析.(4)Ai以外の金属による微細ポーラス金属酸化物の形成と応用.(5)ポーラサルミナにもとづくシングルnmスケール半導体微細構造の形成と機能性デバイスへの応用.
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